《五輪連覇へ》“氷から離れた”昨季が脳裏に浮かんで…小平奈緒（35）が目を潤ませた理由「安心して3人に1500mを任せられます」

　スピードスケート女子500mの平昌五輪金メダリスト、小平奈緒（相澤病院）が、自身にとって4度目の大舞台となる北京五輪に臨む。

　出場種目は平昌で金メダルに輝いた500mと、同じく銀メダルだった1000m。平昌で6位入賞を果たした1500mは出場権を逃したが、「500と1000に集中して最善を尽くす。年齢（35歳）を忘れていい時と忘れてはいけない時があるので」と語る表情は笑み交じり。得意の2種目に集中できることをむしろポジティブにとらえていた。実際に、500mも1000mも今季W杯で表彰台に上がっており、五輪本番に向けて順調なステップを踏んでいる状況だ。

代表選考会、取材対応で目を潤ませた

　昨年末に長野のエムウェーブで開催された北京五輪代表選考会では、最終日の1500mで気持ちのこもったレースを見せた後の様子が印象的だった。この種目では、高木美帆と佐藤綾乃がW杯の成績によりすでに北京五輪の代表に内定していたため、残り枠は1つしかなく、狭き門となっていた。結果的に小平は、前の組で滑った高木菜那にわずかに及ばず、この距離の出場切符を逃したのだが、レース後の表情は実にさわやかだった。

「全体的に攻めたレースができました。スタートラインに立った時にワクワクして、自分のベストを尽くそうという気持ちで滑ることができました」

　地元長野でのレースで、温かみのある応援を受け、本当にうれしそうにしていた小平だが、いつも以上の特別な高揚感を持つことができたのは、やはり同走が美帆だったからに他ならない。

「できるだけ高木（美帆）選手の背中を見ていたいなという思いがあった。どこまで食らいついていけるかなという思いをもって、挑戦しました」

　レースは途中から美帆を追う展開になったが、後ろ姿から学べるものがあったという。

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