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横峯さくら(36歳)産後に悩まされた症状とは?「グリーンやフェアウェイの傾斜が読めなくなって……」目標は“家族で優勝カップ” 

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南しずか

南しずかShizuka Minami

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posted2022/01/13 11:02

横峯さくら(36歳)産後に悩まされた症状とは?「グリーンやフェアウェイの傾斜が読めなくなって……」目標は“家族で優勝カップ”<Number Web> photograph by Shizuka Minami

昨年末に行われた国内ツアーの予選会を突破し、今季から国内ツアーに本格復帰する横峯さくら。家族のサポートを受けながら、育児との両立を目指す

 通算23勝を挙げた横峯が、7年以上も優勝から遠ざかっている原因の一つとして、スイングのスランプが上げられたが、少しずつ手ごたえも掴み始めている。

「(クラブを)こう上げてって、頭で考えるより、スッと上げられるようになってきたかなと感じています。今は、フィーリング70%、論理的に考えるのが30%ぐらいかな」

 20代の頃は、少しの違和感をすぐ修正することができた。だが、年齢とともに、柔軟性が低下し、少しずつスイングがずれていった。気づいた時は手遅れで、16年頃から長いスランプに陥った。それまで頼りにしていた“フィーリング”が崩れた途端、良い時のスイングのイメージが消え去ってしまったという。

「『テークバックをアウトに上げてたっけ?』など、どこから直していいか分からなくて。そこから年々トップが浅くなり、逆玉が出る回数が増えるという……もうこれ以上、悪くなることはないだろうと、人生で初めてコーチに指南してもらったのですが、私には合わなくて」

 アメリカのトッププロのコーチが私のスイングをどうにもできないなら、もう誰に習っても無理に違いないと、ゴルフ経験の無い夫にスイングの解析を頼んだ。「僕はプロゴルファーじゃないから」と断られたが、藁にもすがる思いでお願いした。理想のスイングに近かった2009年の映像を1万回以上も見返し、一緒にフィーリングを呼び起こす作業を手伝ってくれた。

「今も継続的にスイング動画を見返してくれて、『昔のさくらはこうだったよ』という感じで、私以上に、論理的に横峯さくらのスイングを理解してくれています。夫の言葉が、自分のフィーリングとマッチするようになってきたことが大きかったです」

飛距離は「まだ伸び代がある」

 3年以上かかったが、自身のスイングのポイントがわかってきた。「あ、ちょっとズレたな」と感じたときでもすぐ修正できるようになった。練習時にトラックマン(ゴルフ用弾道測定器)を用いて確認もする。

 スイングを立て直す過程の時点でドライバーの平均飛距離は10ヤード伸び、現在は255ヤード前後。米ツアーの測定のため単純比較はできないが、国内ツアーの飛ばし屋と同等である。

「(飛距離に関しては)まだ伸び代があると感じています。昔、国内ツアーで良いプレーをしていた時でも、お尻の筋肉を使えていたり、使えていなかったりという曖昧な部分があったので。もっと体を意識して使えるようになれば、もっと正確に、もっと飛ぶようになるんじゃないかなと。オフは体作りにも励みます」

 スイングのスランプ、産後復帰という、大きな出来事を2つも乗り越えてから、国内ツアー復帰を掴み取った。

【次ページ】 仕事と育児の両立「家族で優勝カップを」

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