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横峯さくら(36歳)産後に悩まされた症状とは?「グリーンやフェアウェイの傾斜が読めなくなって……」目標は“家族で優勝カップ”
text by
南しずかShizuka Minami
photograph byShizuka Minami
posted2022/01/13 11:02
昨年末に行われた国内ツアーの予選会を突破し、今季から国内ツアーに本格復帰する横峯さくら。家族のサポートを受けながら、育児との両立を目指す
最終予選会でも、初日こそ4アンダー68の5位タイと好発進したが、暗算ができなくなっていたため、毎ショット打つ前に残りの距離を紙に書き出していた。
「すごく不安だったし、自分自身を責めちゃって……なんで暗算ができないんだろうとか、なんで物忘れがひどいんだろうとか」
妻の異変を見かねた夫が試合後に症状を調べたところ、マミーブレインにたどり着いた。
「あー、私、これだ!と。(症状が)すごく当てはまっていて、私の中で落とし所が見つかって整理することができました」
ようやく光が覗いたものの、2日目は強風の影響を受けて6オーバー、3日目もスコアを1つ落とし、3オーバーの42位タイで最終日をむかえた。
今シーズン前半戦の出場権を得る目安は30位。絶対スコアを伸ばさないといけないという状況で、転機が訪れたのは5番グリーンだった。
「霧が晴れたように、急にラインや傾斜が見えるようになったんです。『あれ、こんなコースだったの? けっこう、難しいコースじゃん!』って(笑)」
奇跡的なタイミングで症状が改善したことにより、最終日は1ボギー、4バーディの69。通算イーブンパーの21位と、8年ぶりの国内ツアー復帰が決まった。
「久しぶりに前半戦フル参戦出来ることはすごく楽しみですし、有観客になったら、ファンの皆さまの前でプレーできるという楽しみもあります」
出産してから約10カ月が経過し、心身ともに徐々に回復していることで、今オフはゴルフにしっかりと向き合える。
「全体的な精度をあげていきたいですね。特に産後は、パットと(ドライバーの)ミート率が本当に酷くて。ちょっとずつ良くなりつつあるので、維持していきたいです」
傾斜が読めるようになったことは、パットの精度向上へ繋がる。ミート率も上がってきたら、14年11月の大王製紙エリエールレディスオープン以来の優勝も現実味を帯びてくるだろう。