北京五輪は500mと1000mに集中することになった。500mでは連覇を、1000mでは2大会連続の表彰台、いや、500mとの2冠を目指すことになる。

五輪前につかんだ2つの手応え

　今季のW杯カルガリー大会では500mの滑りに関してはっきりとした手応えをつかみ取ることに成功した。

　ひとつはスタートの感触。カルガリーで久々に力強さを復活させ、帰国後の練習でもさらに良くなっていると自信を深めていたのだ。代表選考会では思ったようにはいかなかったというが、「やっぱりレースでは難しいのだと思ったけど、1月のタイムトライアルなどをやって自分のものにしていきたい。いつか皆さんにお見せできる日が来ると思っています」と前を見ている。

　そしてもう一つは重心の取り方だ。

「完全に体の動きが出てきたと思っていて、すごく中心をとらえやすくなってきました。調子が良かった時のような、体の真下に足が入ってくるような感覚が徐々に出てきているので、そこを逃さないように、しっかり自分の懐にエネルギーを感じるようになりたい」

　小平によれば、現時点で体の真下とのズレは「8ミリくらいかな、と思っています」。スピードスケートの短距離は、ミリ単位で重心をコントロールしていくような極めて繊細な感覚が求められるのだ。

「着実に積み上がってきている」

「滑りの内容としては着実に積み上がってきていることを自分で感じているので、それをオリンピックのレースの瞬間に出していければと思っています」

　平昌五輪では「最速」を目指し、それを達成した結果、金メダルをつかんだ。北京五輪で目指すターゲットは、自身の滑りを見ている人に何かを感じ取ってもらうこと。その先にあるものが金メダルであり、連覇であり、2冠なのだろう。