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「あれ、猪木ガウンだよね」東京ドームの激闘を制した王者オカダ・カズチカが病床の“燃える闘魂”にエール「またこのリングに…」
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2022/01/07 11:05
東京ドームでのオカダ・カズチカのガウンとタオルは、難病と闘うアントニオ猪木をイメージしたものだったか
猪木は4日、ドームに集まったファンにビデオメッセージをスクリーンから届けたが、退院後も全身の臓器を襲う難病アミロイドーシスと戦いながら、自宅でリハビリ生活を続けている。「元気が売り物だったのにこれじゃなあ。オレをプロレスに引っ張り出さないでくれよ」と猪木は笑って言うが、オカダからのラブコールは嬉しいはずだ。
ノア勢が吠える中、武藤は余裕のセルフィー撮影
5日、ドーム大会の後半戦が始まる前、プロレスリング・ノア勢がリングを占拠した。8日に横浜アリーナで新日本との対抗戦が行われるが、武藤敬司を先頭に全選手がリングに上がった。清宮海斗が口火を切った。
「新日本プロレス、新日本プロレスファンのみなさま、プロレスリング・ノアが、1.8横浜アリーナでケンカ、買わせていただきます」
拳王はガラガラの客席を見回すとマイクを握った。前日は12047人だったが、5日は6379人しか入っていなかった。
「日本で一番の団体、新日本プロレスに、プロレスリング・ノアが来てやったぞ。日本で一番、この東京ドームの客席見ても、困ってんだろ。テメエらがな、困っているから、オレたちプロレスリング・ノアが助けにやってきたぞ」
鷹木がリングに上がってくると拳王は饒舌になった。拳王らは横浜で鷹木、内藤らと5vs5マッチが決まっている。
「誰だと思ったら、昨日、IWGPヘビー級選手権に敗れた鷹木信悟、テメエじゃねえか。そして、よくわかんねえヤツがいるな」
鷹木は返した。
「テメエ、いきなり痛えとこつくなあ。揃いも揃って、何しに来やがったんだ。新年早々、オマエらも暇だな、オイ。オマエらがどんなに煽っても、背負うのはリスクのみだ。わかるか? 1.8、横浜。こいつらとの明確な実力の差を見せつけてやる」
GHCヘビー級王者の中嶋勝彦は、奥のコーナーに腰かけたまま不敵な笑いを浮かべていた。一方、清宮と組んでオカダ、棚橋弘至組と戦う武藤は余裕だった。古巣のリング上で、無言でセルフィーを撮影していた。今年還暦を迎える“プロレスリング・マスター”は、新日本の最強コンビを相手にどんな立ち回りを見せるのか。8日の横浜アリーナが、がぜん楽しみになってきた。
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