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[リスク覚悟の最高難度]宇野昌磨「限界の“その先”へ」

posted2022/01/07 07:04

 
[リスク覚悟の最高難度]宇野昌磨「限界の“その先”へ」<Number Web> photograph by Asami Enomoto

text by

田村明子

田村明子Akiko Tamura

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Asami Enomoto

24歳を迎えた今シーズンを「特別」と位置づける。再び芽生え始めた、頂点を目指す戦いへの渇望。勝負のプログラムは、今までで最もハードな挑戦だ。技術の進化と意識の変化。見出した新たな喜びとは――。

 北京オリンピックを2月に控えた今季、宇野昌磨は新たな挑戦を自分に課した。

「自分の代名詞と言っていただけるプログラムにしたい」

 そんな思いを込めた新フリースケーティングの「ボレロ」。その構成に、過去最高の難易度である、5回の4回転ジャンプを組み込んだのだ。

 現在、国際スケート連盟(ISU)のルールでは、4回転ジャンプは1種類しかリピートが許されないので、合計5回入れるためには、4種類跳ぶことが要求される。そのため自身3年半ぶりに再開した4回転ループを冒頭に、続いて4回転サルコウ、そしてこれまで冒頭に入れることが多かった4回転フリップは後半に持ってきた。4回転トウループは、コンビネーションの2回に組み込む構成だ。

 グランプリ(GP)シリーズ1戦目のスケートアメリカでは、冒頭の2つは失敗したが、トウループ2回とフリップの合計3本成功させて、ビンセント・ジョウに次いで2位となった。

「もちろん難しいことは、認識しています。これだけ難しいからこそ皆さん失敗が伴って、今まで以上に順位の変動が激しくなっていると考えている」

 世界選手権3連覇中のネイサン・チェンが、ジャンプミスから3位に終わった大会の会見でこう語った宇野は、さらに続けた。

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