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坂本花織25歳“ウラで後輩を助けていた”…中井亜美らへの情報提供、試合前日もりくりゅう生観戦「何か力になれれば…」だから日本フィギュアは強かった
posted2026/02/21 06:00
ミラノ五輪女子シングルで銀メダルを獲得した坂本花織ら、日本フィギュアのメンバー
text by

野口美惠Yoshie Noguchi
photograph by
Asami Enomoto/JMPA
25歳で迎えた3度目の五輪。坂本花織の胸に授けられた栄光は、銀色の輝きだった。
「4年前は北京オリンピックで本当に奇跡的な銅メダルを取って。そこから4年経って今こうやって金を目指して、取れなくて銀になって。メダルの色は上がったのに悔しいっていうのは、この4年間色々な経験をして積み重ねたということ。その成長は褒めたいかなって思います」
涙を拭いながら、ゆっくりと言葉を繋いでいく。自分を納得させるように、何度も何度もうなずいた。
後輩への気遣い…だから日本チームは明るかった
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昨年6月、今シーズンでの引退を表明した。退路を断って臨む、最後の五輪。坂本は、自分のことだけでなくチーム・ジャパンの仲間のことを考えていた。
「オリンピックも3回目なので。初出場の子たちの何か力になれれば」
そう考えると、後からイタリア入りする千葉百音と中井亜美に「持ち物リスト」を連絡し、こと細かく現地の情報を提供した。
「抱き枕を持っていくと言われたので、自分も枕を持ってきました」(中井)
到着した2人をハグで迎え、緊張をほぐすことも忘れなかった。
2月13日は、男子フリーを応援。そこで、最終グループの難しさを目撃する。さらに2月15日にはペアのショートを観戦し、三浦璃来・木原龍一組がまさかのミスで5位発進となると、大粒の涙を流した。坂本の心は爆発寸前になった。
「もう毎日、怖すぎて涙が止まらなくなっています。(鍵山)優真もりくりゅうも『この人たち本当にストイックだな』って思う。そんな人達でも予期せぬミスがあるというのを連続で見てしまって。正直『自分もそうなるな』と。全身にストレスがかかってます」
自分自身がそんな極限状態にありながらも、フリーを翌日に控えたりくりゅうに「絶対に大丈夫だから」と声がけすることも忘れない。すると木原からこう返事が来た。
「頑張って、花織ちゃんにいいバトン渡すから!」
前日なのに…りくりゅうも生観戦
2月16日のペアフリーも、女子ショートの前夜だったが現地で応援。そこで、りくりゅうの逆転劇を見た。
「本当に感動して。いいバトンどころか、黄金のバトンが届いて! これはもう、自分も行ける気しかしません。昨日までの不安が一気に晴れました」
仲間への思いが、自身のパワーになって返ってくる。最高のメンタルで女子ショートを迎えた。



