箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
《箱根駅伝》駒澤・青学・東洋の“学生記者”が熱弁する、選手たちの“知られざる素顔”とは?「“優勝”の勝ち記事が書きたいです!」
text by
荘司結有Yu Shoji
photograph byNanae Suzuki/Yuki Suenaga
posted2022/01/01 17:05
左から、花尾恭輔(駒澤)、近藤幸太郎(青学)、石田洸介(東洋)
「花尾愛」を熱く語る清水さんが、駒スポ箱根号の見出しに付けたのは、「闘志を燃やす 九州男児花尾」。2021年5月の関東インカレ・ハーフマラソン決勝では青学大の西久保遼(3年)とのデッドヒートで競り負けた時のエピソードを語っている。「同じ九州人なので負けて悔しい」と長崎生まれの九州男児らしい「負けん気」が見え隠れする。
チーム内では「ムードメーカー」的存在でもある。
「箱根前の合同取材で、個人撮影する時間があったのですが、選手の皆さんは緊張していたのか表情が固かったようで……。そんな時に花尾選手がカメラマンの後ろでおどけてみせたり、手を振ったりすることで皆を笑わせていました!」
現時点では補欠だが、当日は交代が考えられる。箱根路でも優勝の「ムード」を作る走りを見たい。
駒澤の「最大のライバル」を聞いてみると…?
全日本大学駅伝で2連覇を飾り、勢いそのままに箱根路へと突き進む駒大。箱根2連覇に向けて障壁となるのはどの大学か――。
「青学ですね」(黒岩さん、清水さん)
青学大は登録メンバー16人全員が10000mで28分台の記録を持つ。黒岩さんも「駒澤と同じかそれ以上に選手層が厚い。『強い』という形容詞が付く選手が多いように感じます」と警戒する。
今回も駒澤が総合優勝を果たせば、すぐに号外の準備に取り掛かるという。
「年末に課題を終わらせ、体調を万全に整えておきます」(黒岩さん)と、今年も優勝の瞬間を心待ちにしている。
2)青学 逆襲のキーマン「大エースとして成長しています」
◆◆◆
「駒澤は選手層の厚さもあるし、計り知れない不気味さを感じます……」
前回2年ぶりに総合優勝を逃した青山学院大。青山スポーツ新聞陸上班チーフの山口美海さん(2年)が意識しているのはもちろん、前回優勝を阻んだ駒澤大。
2015年の箱根駅伝優勝以来、常勝軍団として君臨し続けた青学に憧れ、新聞部に入部した。前回は「優勝」の記事を書けない悔しさ、そして現地で取材できない悔しさと二重の思いを抱えていたという。
王者に返り咲くためのキーマンに挙げるのは、近藤幸太郎(3年)。今季、トラックで青学新記録を連発した新エースは、花の2区にエントリーされた。
「取材では、一聞くと十返してくれるような盛り上げ上手な選手です。トラックでも駅伝でも結果を残して着実に大エースとして成長しているので、2区で優勝に導く走りをしてくれると期待しています」
もうひとりの注目選手は、志貴勇斗(2年)。全日本で駅伝デビューを果たし、1区4位と好走した。山口さんと同じ教育人間科学部教育学科で、教室とトラックを行き来している姿が、印象的だったという。
「授業が始まる直前に教室に駆け込んできて、コクンコクンとなりながら授業を受けた後に、すぐに教室を出ていく姿を見てきたので、同じ学部の『星』として頑張ってほしいです」
暫定のエントリーでは補欠だが、「着実で安定した走りを武器に復路で優勝を引き寄せてほしい」(山口さん)。当日の発表を待ちたい。