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「打てる訳ないよな、と自分でも…」筒香嘉智に聞く“150km以上の速球を打てない”をどう乗り越えたのか?《パイレーツで劇的復活》 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2021/12/31 11:10

「打てる訳ないよな、と自分でも…」筒香嘉智に聞く“150km以上の速球を打てない”をどう乗り越えたのか?《パイレーツで劇的復活》<Number Web> photograph by Getty Images

8月にパイレーツに移籍して、8本のホームランを放った筒香。なぜ復活できたのか、本人に聞いた

 パイレーツでは移籍初戦となった8月16日の古巣・ドジャース戦で9回に代打で起用されると、絶対クローザーのケンリー・ジャンセン投手から左翼線二塁打。さらに翌17日には「4番・一塁」で先発すると9回に再びジャンセンから左翼線二塁打を放ってすぐさま結果を出した。

 さらに20日のセントルイス・カージナルス戦では右越えのシーズン1号本塁打を放ち、確実にチーム内での地歩を固めていくことになる。

「もういいやって思うことは一度もなかったですね」

 パイレーツで今季放った本塁打は合計8本。その中には8月23日のアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦で救援右腕のテイラー・クラーク投手の95・7マイル(154km)を右翼席に運んだ3号や、9月20日のシンシナティ・レッズ戦でブラディミール・グティエレス投手の94マイル(151km)を弾丸ライナーで右翼に叩き込んだ8号など、打てないはずの150kmを越えるストレートを見事に打ち砕いた一撃も含まれていた。

「レイズで結果が出ないでDFAになったときも、40人枠から外れてマイナー落ちしたときも、辛いと思ったことは一度もなかった。もちろんしんどくて、苦しいときというのはありましたけど、もういいやって思うことは一度もなかったですね」

 もちろんまだまだ完全に150kmを打ちこなしているわけではないかもしれない。それでも一歩ずつ、確実に階段を上る先に、本当の自分はいるはずだ。

 このオフには新たにパイレーツと1年契約を結び、来シーズンにそこでどんな成長譜を見ることができるのか。それも筒香という選手を追いかける楽しさなのである。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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