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《2021年スポーツ新聞見出し大賞!》東スポ8日間連続“大谷トップ”の牙城を崩した、7月の「未確認KUMA騒動」とは?

posted2021/12/31 06:01

 
《2021年スポーツ新聞見出し大賞!》東スポ8日間連続“大谷トップ”の牙城を崩した、7月の「未確認KUMA騒動」とは?<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

2021年のスポーツ界の話題を独占したといっても過言でない大谷。その姿をメディアに見かけない日はなかった

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プチ鹿島

プチ鹿島Petit Kashima

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Nanae Suzuki

 森喜朗東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長の失言から始まった2021年。賛否が二分したまま開幕した東京五輪から大谷翔平の活躍まで、てんこ盛りの1年だった

 大変だ、ニューイヤー駅伝の優勝旗をなくしてしまった。富士通が発表。 

 日刊スポーツは見出しに「ハタと気付く」と書いていた(12月17日)。ああ。

 今年もスポーツ新聞の見出しはキレがあるもの、脱力を誘うもの、多種多様でした。では印象的だった見出しを振り返っていきたい。題して「2021スポーツ新聞見出し大賞」。

 最初はこちら。小さなベタ記事だからこそ目立った見出し。

『すし残留手応え」(日刊スポーツ11月17日)。

 プロ野球・千葉ロッテのレアード内野手のことです。来季の残留にオーナーが自信を持ったという記事なのですが、”ホームランを放った際に好物のすしを握るポーズをするレアード”という説明はしなくていい。「すし残留」でよいのだ。情報を送る側と受け手の信頼が厚いスポーツ紙ならではの逸品でした。

夕刊紙は連日の大谷祭り開催

 続いては大谷翔平。ア・リーグMVPの大活躍にスポーツ紙も大忙し。とくに時差の関係で試合結果をその日に伝えられる夕刊紙はド派手な見出しが目立った。

 夕刊紙の東スポを並べてみよう。7月6日付~14日付が圧巻。

『大谷 ゴジラに並んだ31号 球宴二刀流出場が決定』(7月6日)

『大谷と一緒に寝られる エンゼルス・スタジアム来場者に枕のプレゼント』(7月7日)

『大谷 週間MVP』(7月8日)

『大谷32号 松井超え』(7月9日)

『大谷もはや野獣 バカげたパワーだbyトラウト』(7月10日)

『大谷記録更新フィーバー CM契約料も』(7月13日)

『メジャーの起爆装置 大谷 球宴リアル二刀流先発が決定』(7月14日)

 どうですかこの並び。オールスターゲームに向けて最高潮になっているのがわかる。 

 ひとつ書いておくと「7月11日付」の見出しが抜けていることにお気づきだろうか(7月12日付は日曜なので東スポは無し)。

 では、この日の東スポの一面は何だったか。これだ。

【次ページ】 しろつめくさのはながさいたら、さあいこう…

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