箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
大迫傑と同期の箱根ランナーが、大学時代出会った妻とともに長野で農業をしているワケ「大迫の存在が影響してるんです」
text by
清水岳志Takeshi Shimizu
photograph byAFLO SPORT
posted2022/01/02 11:05
第88回箱根駅伝を走った頃の志方文典(右)。大迫傑と同期のランナーはなぜ今、農業に従事しているのだろうか
「最後のレースと言っていたので、何か大きなことをやってくれるのでは、と思ってました。30キロ過ぎてもアフリカ勢についていったし、最後も粘って順位を上げた。彼らしい集大成でしたね。
大迫は大学1年の冬にはチームと離れて練習をしていました。渡辺監督が個人の意向を優先させてくれた。自己管理ができて自立できれば、レールの外でも伸びていけた。大迫がいい例です。
僕はやっと、それが理解できてきた。今は自分で工夫して開拓していく仕事。大迫の存在が影響してるんです。これから、生かしていかないと」
農業とランニングをリンクさせられないか
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農業とランニングがリンクできる仕事を考えている。収穫体験とランニング合宿なんて面白いか。市民ランナーでも小中学生でもいい。第一次産業の現実を知る機会にもなる。
畑の直ぐ近くに国立天文台の大型電波望遠鏡が鎮座する。野辺山は天文学の聖地だ。「西脇も星が奇麗でしたが、ここは比べ物にならない」
武者小路実篤風に言うと、「天に星 地に野菜(花) 人に愛」というところか。
志方は野辺山へ“移動”して確かな一歩を駆けだした。