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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
全国高校駅伝「優勝候補」に意外なジョーカー?…「高校駅伝は今年が最後…走りたい」ある“長距離後進国”からの留学生が語る“駅伝への想い”
posted2025/06/30 06:01

今冬の全国高校駅伝では優勝候補の一角と目される仙台育英高。3年生の簡子傑は長距離種目では非強豪国である台湾からの留学生だ
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和田悟志Satoshi Wada
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Satoshi Wada
8月に開催されるインターハイに向けた各地区の予選が幕を閉じ、あとは大舞台を残すのみとなった。こと長距離種目に関して言えば、各校ともに秋以降の駅伝シーズンに向けた試金石という形になる。そんな中に、従来のアフリカ系留学生とは少し違った形で日本にやってきた青年がいる。彼が日本の「駅伝強豪校」に進学した理由は一体何なのだろうか?《NumberWebインタビュー全2回の2回目/最初から読む》
「台湾にいたらアジアで戦えないと思ったから、日本(の高校)に進学したいと思って仙台育英を選びました。台湾のナショナルチームに入ることを考えて、日本に来ました」
そう語るのはアジア選手権5000mの台湾代表で、現在は日本の仙台育英高に通う3年生の簡子傑だ。
仙台育英でも異例…台湾からの留学生
強さを求めて日本へ渡り、仙台育英高で競技生活を送っている18歳。
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仙台育英高といえば、ケニア人留学生を擁し男女ともに幾度も駅伝で日本一に輝いている。一般の生徒は様々な国から多くの留学生を受けいれているが、陸上競技で台湾から受けいれるのは異例だっただろう。
入学したばかりの頃は「日本語が難しくて、分からなかった」と言うが、チームメイトのサポートもあって日本語を身につけていった。
競技力もしかり。
「雰囲気が良くて、みんな強くなりたいという思いがある」
そんな環境に揉まれ、簡自身もチームメイトと共にめきめきと力を付けていった。
得意とする1500mでは1年目からインターハイに出場。今年6月のインターハイ東北地区予選でも優勝を飾り、3年連続で全国の切符をつかんでいる。過去2年は全国で予選落ちに終わっているが、三度目の正直となるか。