- #1
- #2
プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
「まあ、元が格好いいので(笑)」赤いベルトが似合う女王・林下詩美が“ビッグダディ越え”宣言「もう父親の存在は気にならない」
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2021/12/27 17:04
第13代ワールド・オブ・スターダム王者として防衛を重ねている林下詩美。入場時に手にする赤いバラの花は女王のトレードマークだ
11月27日には、代々木競技場第二体育館で舞華の挑戦も退けた。ただ、この戦いにはさらなる続編があることを感じさせた。「舞華が私の背中を追い続けていることはわかっている」と林下は言った。
“女王の休日”は動物園でライオンとにらめっこ?
2022年も女王の戦いは続く。
「まだまだやりたい相手はいます。刀羅ナツコともあの続きをやりたいし、やらなきゃいけない。最多防衛記録も伸ばしたい(最多連続防衛は紫雷イオの14回。通算では24回)。小波さんは退団してしまうので、もうできませんが、ドローになったこともあるし、何度か負けたこともある。スターダムNo.1の寝業師(小波)ともう一度戦いたかった。ひめかともやりたい。体がでかくて、パワー任せの試合をしている。一度、赤いベルトを賭けてどっちが一番のパワーファイターか決めたいですね。それから……言えない野望もあります(笑)」
スターダム全体のレベルは、数年前と比べると明らかに上がった。赤いベルトへの挑戦資格を持つレベルの選手も増えている。そんな中、林下の心を癒やしているのは幼い甥っ子たちとの交流だ。
「こないだ、甥っ子たちと千葉の動物園に行きました。お姉ちゃんの子ども2人と妹の子ども1人連れて、家族みんなで。私が動物園に行きたいって言ったんです(笑)。ライオンがいるだけでテンション上がりましたね。やっぱり百獣の王は格好いい。ガラスに顔をくっつけて、数十センチの距離でずっと見ていました」
林下はもちろん知らないが、筆者は昔、アマチュアのレスラーが協会の会長命令で動物園に行ってライオンとにらめっこをした、というエピソードを聞いたことがある。
「私はライオンをずっと見ているのに、ライオンはこっちを見ないんですよ。私が格好よすぎて直視できなかったんじゃないかな(笑)」
ライオンだけでなく、林下は強くて格好いいものに惹かれるという。
「サメも格好よくて好き。ジンベイザメとかホオジロザメ。いるだけで格好いいし、存在感がある。私と同じですね(笑)。いるだけでいい。強くて、人気があって、格好よくて、輝いている。もう、そうなっているじゃないですか」