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プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
「まあ、元が格好いいので(笑)」赤いベルトが似合う女王・林下詩美が“ビッグダディ越え”宣言「もう父親の存在は気にならない」
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2021/12/27 17:04
第13代ワールド・オブ・スターダム王者として防衛を重ねている林下詩美。入場時に手にする赤いバラの花は女王のトレードマークだ
10月には大阪城ホールでマーベラスの彩羽匠とも戦った。赤いベルトを賭けて、強さと同時に“格好よさ”を競う名勝負となった。
「蹴りも強いし、スタミナあるし、パワーもあるし、走っても速い。私と同じくらい格好いい。赤いカラーも格好よさもかぶっている。最後に格好よかったのは試合に勝った林下詩美でしたけど、ボコボコ蹴られながら対角から見たあの人は、美しく格好いい人でした。きっとあちらも私に投げられながら、『こいつ、格好いいな』と思っていたんだろうな(笑)」
称賛の声にも「まあ、元が格好いいので(笑)」
リングを下りた林下は、自身のことを「引きこもりがち」だと言うが、筆者にはそうは見えない。
「まだ、しゃべるのは苦手ですね。人前に出る時間が増えてきました。リングに上がれば、どこから見ても“格好いい林下詩美”だけど、まだリング上じゃないと無理ですね。自分の中で、林下家の三女とプロレスラーの林下詩美は違いますね」
そうはにかむ林下に、試合の後に大学生くらいのファンが「林下詩美って、すごく格好つけて偉そうなのに、それが本当に格好いいんだよね」と話していたことを伝えた。
「まあ、元が格好いいので(笑)。格好つけて、さらに格好よくなる。先日、サイン会の時に『男の自分から見ても格好いい』と言われて。もちろんうれしかったですけど、どちらかと言うと女性ファンにそう感じてもらえた方がもっとうれしいです。私が表現したい“格好よさ”が伝わっているんだなあ、と思えるので」
2019年に一度引退してカムバックしてきた葉月と、11月3日に川崎のとどろきアリーナで対戦した。以前はシングルでやったことはなかった。
「復帰してまだ何試合目であれだけできるのはすごい、とファンの人は思っているんでしょうけど、次に赤いベルトを賭けてやるんだったら、あの何倍以上も力をつけてこないとダメですよ。チャンピオンとしてそう言っておきます」