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「まあ、元が格好いいので(笑)」赤いベルトが似合う女王・林下詩美が“ビッグダディ越え”宣言「もう父親の存在は気にならない」 

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原悦生

原悦生Essei Hara

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posted2021/12/27 17:04

「まあ、元が格好いいので(笑)」赤いベルトが似合う女王・林下詩美が“ビッグダディ越え”宣言「もう父親の存在は気にならない」<Number Web> photograph by Essei Hara

第13代ワールド・オブ・スターダム王者として防衛を重ねている林下詩美。入場時に手にする赤いバラの花は女王のトレードマークだ

 自信満々にそう語って、林下はニッコリと微笑んだ。しかし、スターダムで無双状態の林下にも、苦手なものはあるようだ。

「お化けとかホラー系だけはダメです。虫より苦手。お化けとタイトルマッチしたら、たぶんベルト取られますね(笑)。暗いところとかお化け屋敷とか本当に無理。試合中に会場の電気を消されたりしたらやばいです。すぐ負けちゃうかもしれない(笑)」

「父親? ああ清志だよ」“ビッグダディ越え”の実感

 林下は約1年前に話を聞いたときには「結婚は全く考えていない」と言っていた。それが少しだけ変わった。

「前は本当にゼロでしたけど、今は2パーセントくらいになった。とにかく甥っ子たちがかわいくて、甥っ子でこれだけかわいいなら、自分の子どもだったらもっとかわいいだろうなあ、って。まあ、あとの98パーセントはなかなか上がりそうにないですね(笑)」

 家族の絆は深いが、いまやビッグダディこと父・林下清志よりもはるかに注目を浴びているという自負もある。世間の目が「ビッグダディの娘がプロレスデビューした」から、「林下詩美の親ってビッグダディらしいよ」に変わるまで、そんなに時間はかからなかった。

「もう、勝手に“父越え”しました。最初は気にしていましたが、昔のように父親の存在を意識するようなことはありませんね。『ああ、娘だよ。父親? ああ、清志だよ』って」

 父親とはよく会っているという。練習終わりに父親の店を訪ねて一緒に食事をして、家族の話をして帰る。

 2021年はスターダムのトップとして駆け抜けてきた。東京スポーツが制定する「女子プロレス大賞」も文句なしの受賞。来たる2022年、スターダムをさらに盛り上げていくと林下は誓った。

「2022年も、スターダムのトップとして、もっとスターダムという団体を世間に広めていきたい。プロレスは好きだけど、まだ女子プロレスを見ていないという人にこそ見てほしい。スターダムという素晴らしい団体があることを、もっと多くのみなさんに知ってほしい」

 林下詩美、23歳。あっという間に“父越え”を果たし、スターダムの頂点に君臨する女王は、赤いベルトが似合う「格好いい女」だ。

(舞華編に続く)

#2に続く
「戦いがないと生きていけない」林下詩美を追って柔道からプロレスに転身…“闘争心の塊”舞華が「もっと私を見ろよ!」と叫ぶワケ

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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