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「まあ、元が格好いいので(笑)」赤いベルトが似合う女王・林下詩美が“ビッグダディ越え”宣言「もう父親の存在は気にならない」

posted2021/12/27 17:04

 
「まあ、元が格好いいので(笑)」赤いベルトが似合う女王・林下詩美が“ビッグダディ越え”宣言「もう父親の存在は気にならない」<Number Web> photograph by Essei Hara

第13代ワールド・オブ・スターダム王者として防衛を重ねている林下詩美。入場時に手にする赤いバラの花は女王のトレードマークだ

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原悦生

原悦生Essei Hara

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Essei Hara

ワールド・オブ・スターダム王者として女子プロレス「スターダム」の頂点に君臨する林下詩美選手のインタビューをお送りします。(舞華編はこちら

 12月29日、両国国技館。林下詩美vs朱里は時間無制限の一本勝負だ。2人は6月のワールド・オブ・スターダム王座戦、9月の5★STAR GP公式戦と、合計で63分19秒を戦って引き分け。決着はついていない。

「試合する度にお互いが限界を超えて、殻を破って進化した姿になっているので、年末の試合もきっと史上最高の試合、最強を決める試合になると思います。ずっと勝てていないな、という気持ちはありますよ。あちらからも試合する度に負けられないという意地を感じますけど、こっちだって朱里には負けられない」

 林下は昨年11月にスターダムのアイコンと称される岩谷麻優を倒し、赤いベルトを奪取。そこから9度の王座防衛に成功しており、今度の両国が10度目の防衛戦になる。

「ベルトを防衛するごとに、チャンピオンとしての強さもそうですが、風格とか、たたずまいとか、すべてにおいて自分は新しい選手になっている。防衛する度に違う選手になっていると思います。防衛のペースが速いと言われますけど、新型コロナで防衛戦ができない時期もあったので、本当は11月の月2回のように間をあけずに防衛戦をやっていきたい」

机に「マンガみたいな穴」が開いた刀羅ナツコ戦

 7月、悪の軍団・大江戸隊を率いる刀羅ナツコとの戦いは、試合中のアクシデント(刀羅が左膝の前十字靭帯断裂でドクターストップ)によって消化不良になってしまった。

「スターダムの最高峰の赤いベルトは、誰もが欲しいベルト。きっとあちらもケガでドクターストップというのは悔しいと思います。自分も2回欠場していますけど、タイトルマッチが途中で終わってしまう悔しさは計り知れない。ナツコの悔しさも背負いながら、赤いベルトを守っていきたい」

 あの日、刀羅は赤いバラをくわえて、コーナーポストから場外の机に寝かした林下にダイビング・ボディプレスを見舞った。

「初めて見る机の割れ方でした。刀羅ナツコが重すぎて、マンガみたいに“詩美型”にぽっかり穴が開いてしまった。私は挟まっちゃって出られなくて、痛くて、大ダメージでした。もう薄くなりましたが、まだ傷が残っています。早く刀羅ナツコには復帰してもらって、仕返しがしたい。今度は私がバラをくわえながら飛び乗りたい。“ナツコ型”にでかい穴をあけてやりますよ」

【次ページ】 称賛の声にも「まあ、元が格好いいので(笑)」

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