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フランス・フットボール通信BACK NUMBER
「このズラタンの野郎!」と叫びだしたくなったことも…ドンナルンマが語るミラン時代と出場機会激減のPSGでのライバルとの関係
text by
フランス・フットボール誌France Football
photograph byL’Équipe
posted2021/12/22 06:01
自宅の暖炉前でポーズをとるドンナルンマ。196cmの身長は彼が尊敬するブッフォンよりわずかに高い
イブラ(ズラタン・イブラヒモビッチの愛称)はどうかって? ズラタンの存在も僕には大きい。僕の人生のなかで重要な位置を占めている。彼がミランに復帰してから、僕はずいぶん成熟したし進歩もした。それはサッカーの面だけに限らなかった。彼は僕の足りない部分を後押ししてくれた。彼にはそうした頑強さ、人の最大限の力を引き出す能力がある。酷いことを言っているように思えるときでも、それは尻を叩くためであり何かを得るように仕向けるためだ。最初はそれに嫌気がさして、「マンマミーア、このズラタンの野郎!」と叫びだしたくなることもある。でもすぐに、彼はそれを僕のためにやっているんだということに気づく。彼のような選手がチームにいるのはとても重要だ。
PSGとの契約を決断した瞬間
PSGは僕のスカウティングに多くの時間を費やした。プレスは僕のパリ行きがほぼ決まったかのように書いていたし、僕にも何の躊躇いもなかった。僕を獲得したいというクラブの強い意志に惹かれたし、僕がPSGというファミリーに加わることを心から望んでいることを伝えたい気持ちを感じた。もちろんすべてのタイトルを手にしたいというクラブの野心にも惹かれた。
クラブのスタッフやチームメイト、サポーター……、僕を快く迎え入れてくれたすべての人たちに感謝したい。パリは素晴らしい街だし、PSGは素晴らしいクラブであり素晴らしいチームだ。スーパーチームともいえる。心から満足している。モチベーションも限りなく高い。
契約を終えたのはバカンス期間中だった。クラブに合流するまでの日数を数えながら、チームメイトたちと知り合いになり、新しい家で新しい家族を得られることに興奮を禁じ得なかった。
PSGのロッカールームに足を踏み入れた瞬間
はじめてロッカールームに入っていったときのことはよく覚えている。すぐにリラックスできて、自分の家にいるような気持になった。PSGという大きなファミリーに受け入れられたと感じた。アクラフ・ハキミやラフィーニャ、もちろんマルコ・ベッラッティは以前から知っていた。それから代表で一緒だったジャンルカ・スピネッリとも再会した。卓越したGKコーチだ。彼とトニ(=トニ・ヒメネス。もうひとりのGKコーチ)が、僕の日々のトレーニングを担当し、進歩の手助けをしてくれている。