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「このズラタンの野郎!」と叫びだしたくなったことも…ドンナルンマが語るミラン時代と出場機会激減のPSGでのライバルとの関係 

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posted2021/12/22 06:01

「このズラタンの野郎!」と叫びだしたくなったことも…ドンナルンマが語るミラン時代と出場機会激減のPSGでのライバルとの関係<Number Web> photograph by L’Équipe

自宅の暖炉前でポーズをとるドンナルンマ。196cmの身長は彼が尊敬するブッフォンよりわずかに高い

 他の選手たちとのコンタクトは自然に始まった。チームはロッカールームで作られる。だから感覚はとても大事だ。最初の試合でスタジアム(パルク・デ・プランス)に到着したとき、満員のスタンドはお祭り気分で盛り上がっていた。ヒートアップして熱狂が最高潮に達しようとしているサポーターを見たとき、本当のトップチームに僕も加わったと実感した。

 ネイマールやレオ・メッシ、キリアン・ムバッペとの最初の練習はどうだったかって? 始まる前は、思いが高まって胸がいっぱいだった。でもいざピッチに入るとそんな感情は消えてなくなり、彼らは僕にオープンに接してくれた。僕も緊張せずにリラックスできた。ふざけ合って冗談を言い、わざとけなし合ったりした。新しいクラブ、新しい国で仕事を始めるときに、そうした雰囲気を感じられるのはとても重要だ。始まる前はさまざまな疑問や不安が頭の中に渦巻いたけど、すべてが杞憂に終わりほんとうに素晴らしかった。

ケイロル・ナバスと初めて出会った瞬間

 ケイロルとは極めて良好な関係を保っている。軋轢は何もない。僕らが難しい状況にあると人は簡単に批判する。僕らはそれに対して何もできない。でも事実はまったく異なっている。僕らは気の置けない友人で、すべてはうまくいっている。ロッカールームがそうであるように、僕らもチームとともにひとつになっている。どちらももの静かで、お互いを尊重しているのはわかるだろう。

 もちろん僕は、PSGという新しいクラブで、新たな環境に身を置いているのはわかっている(チーム内でトップクラスのGKと競争し、スタメン出場とベンチスタートを交互に繰り返すのは、ドンナルンマにとって初めての経験だった)。でも僕はよくやっている。この状況が、成熟への助けになる。

 僕が新たにプレーするリーグは、力強く発展を遂げているリーグだ。リーグ・アンの競争力は本当に高い。でも驚きはない。というのもあらかじめ決まっているものは何もないし、外から見たときから、特にここ数シーズンはこのリーグはとても高いレベルにあることに気づいたからだ。持てる力の110%を出さなければ試合に勝てない。アドレナリンの分泌が少しでも下がったら直ちに困難に直面する。

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ジャンルイジ・ドンナルンマ
パリ・サンジェルマン

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