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柿谷曜一朗とダミアンのゴールを絶賛、前田大然の袴姿には「自覚」を感じた…水沼貴史が語る「2021年JリーグのFWたち」 

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水沼貴史

水沼貴史Takashi Mizunuma

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photograph byJ.LEAGUE

posted2021/12/17 06:01

柿谷曜一朗とダミアンのゴールを絶賛、前田大然の袴姿には「自覚」を感じた…水沼貴史が語る「2021年JリーグのFWたち」<Number Web> photograph by J.LEAGUE

得点王に輝いたFWレアンドロ・ダミアン。リーグ連覇を果たした川崎で攻撃を核を担った

 もう一人の得点王、前田大然(横浜F・マリノス)も飛躍のシーズンとなりました。昨シーズンは3ゴールでしたが、今季は23ゴールと急増。目に見える結果を残したことはしっかりと評価したいです。

 ただ、大然はまだ進化の途中です。昨シーズンはボールコントロールでのミスも目立ちましたし、自分のスピードをコントロールしきれていないプレーも散見していました。今季の飛躍の要因として、ワンタッチでのゴールが増えたこと、つまりクロスへの合わせ方がすごくうまくなったことが挙げられると思います。練習や試合前のウォーミングアップでも、ゴール前に入る動きをよく確認していました。そうやって自分の形ができてくると、違う部分のプレーにも余裕が生まれるもの。自信になった1年だったのではないでしょうか。

 海外挑戦の報道も出ていますが、マリノスに残ったとしても来季は真価が問われるシーズン。プレッシャーがさらに増える中で、自分のスピードや特徴をどう生かすか。一見、怖そうな見た目ですが(笑)、すごく真面目な選手だと聞いたことがあります。今シーズンのように、課題があった方が取り組みやすいのかもしれないですね。

 Jリーグアウォーズの表彰式には袴姿で登場。目立ちたいというよりは、私は得点王の「自覚」を感じましたよ。日本代表での活躍も期待しましょう。

第二の大久保、玉田の出現を期待

 大久保嘉人や玉田圭司といった、長年日本のサッカー界を牽引したストライカーたちの引退も時代の流れを感じます。

 引退を惜しむ声は多いですが、本人たちが「やり切った」と感じたなら仕方ないですし、尊重しないといけません。ただ、大久保が最後に見せてくれたプレーを見ると、まだギラギラ感は失っていない。本当ならまだまだやれるでしょうね(笑)。

 大久保は得点を取ることに集中する「ザ・ストライカー」という選手で、いつゴールを決めてくれるか常にワクワクさせてくれた選手でした。本人も言うように、昔からヤンチャで迷惑をかけた方々もたくさんいると思いますが(笑)、それを踏まえても、とても愛された選手だったことは間違いない。古巣・川崎サポーターの歓迎や最後のセレモニーを見れば、これまでの功績がいかに偉大だったかはすぐにわかります。

 玉田も、ドイツW杯のブラジル戦など代名詞となるゴールがパッと思い浮かぶ選手です。テクニックを駆使しながら敵陣に侵入し、強烈な左足のシュートを放つ。印象に残るゴールってそんな数多くあるものではないですし、それがすぐに思い浮かぶからこそ、FWとして長くプレーできたのではと思います。

「大久保みたいになりたい」「玉田のような左足だね」など、2人は将来の選手たちの指針となるプレイヤーだったと思います。素晴らしいお手本として日本サッカーに貢献してくれたことに感謝を伝えたいですね。彼らに負けないような、新しい才能を持った選手たちがどんどん現れてほしいです。

【次ページ】 来季に期待するFWは?(動画あり)

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