沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
日本ダービーも意識できるのでは…サークルオブライフがGI・阪神JFで見せつけたポテンシャル〈アーモンドアイに続く名牝に?〉
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPhotostud
posted2021/12/13 11:40
12月12日に開催された阪神JFを制したサークルオブライフとM.デムーロ
輸送や環境の変化などに動じない強さ
管理するのは、三冠牝馬アパパネ、最強牝馬アーモンドアイといった競馬史に残る名牝で数々のビッグタイトルを獲得してきた国枝栄調教師。
名牝の育て方を知る伯楽が、早くから大舞台を意識して成長を促し、ここに送り込んできた。1984年のグレード制導入以降、牝馬限定のJRA・GIは歴代2位の11勝目(1位は松田博資・元調教師の12勝)。トータルでは21勝目となった。
国枝師が「メンタルの部分がすごくいい」と話しているように、サークルオブライフは、輸送や環境の変化などに動じない強さを持っている。半数以上の出走馬が馬体重を減らしてきたなか、関東からの長距離輸送がありながらプラスマイナスゼロの馬体重で出走できたのも、精神的な落ち着きがあればこそだろう。
国枝師もデムーロも、距離はもっとあったほうがいいとコメントしている。元々、桜花賞とオークスなら、オークスのほうに脈があるタイプだったのだが、今回の勝利によって、桜花賞への展望も明るくなった。
日本ダービーも意識できるのではないか
さらに、気が早いことを承知のうえで言うと、この馬なら、日本ダービーも意識できるのではないか。千代田牧場も国枝厩舎もいまだ「競馬の祭典」のタイトルを手にしていない。今年、国枝厩舎の牝馬サトノレイナスがダービーに挑戦して、2番人気に支持されるも、5着だった。国枝厩舎には、サリオスの妹サロミナ、東京芝2000mの未勝利戦を好時計で逃げ切ったウィズグレイスなど、ほかにも有力な2歳牝馬がいるので、路線を使い分けてくる可能性もあるかもしれないし、ファンとしては、そうなってほしいという思いもある。
そうした夢がひろがる、スケールの大きな2歳女王が誕生した。