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日本ダービーも意識できるのでは…サークルオブライフがGI・阪神JFで見せつけたポテンシャル〈アーモンドアイに続く名牝に?〉
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPhotostud
posted2021/12/13 11:40
12月12日に開催された阪神JFを制したサークルオブライフとM.デムーロ
大きなストライドで豪快に差し切った
そう話したデムーロの右ステッキを受けると、サークルオブライフは大きなストライドを伸ばし、内の馬たちを豪快に差し切った。
勝ちタイムは1分33秒8。
「とても嬉しいです。ラスト200mで勝ったと思いました」
そう言って笑顔を見せたデムーロは、3着に敗れた新馬戦、出遅れて前をひとマクリにして勝った未勝利戦、直線一気の競馬で制した前走のアルテミスステークス、そしてこのレースと、4戦すべてで手綱をとっている。2歳JRA・GI3競走完全制覇を果たした名手は、今回も、直線で進路を確保しさえすれば結果が出ると信じていたのだろう。
半馬身差の2着は8番人気のラブリイユアアイズ、さらに半馬身遅れた3着は4番人気のウォーターナビレラ。1番人気のナミュールは、出遅れが響き、最速の上がりで伸びてきたが、4着に終わった。
四半世紀かけて育まれた血脈
サークルオブライフは、1987年の天皇賞・秋を圧勝したニッポーテイオー、2002年のオークス馬スマイルトゥモロー、2012年のヴィクトリアマイルを制したホエールキャプチャなど、数々の名馬を送り出した名門・千代田牧場の生産馬だ。
3代母スターマイライフを、千代田牧場代表で、この馬のオーナーでもある飯田正剛氏が1995年の米国キーンランドのジュライセールで購入。基幹の牝系をつくろうと、その血脈を大切に育んできた。曾孫のサークルオブライフがGI制覇という答えを出すまで、ほぼ四半世紀を要したわけだ。
千代田牧場にとって、これがダノンプラチナで制した2014年朝日杯フューチュリティステークス以来のJRA・GI9勝目となった。