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〈大谷翔平だけが主役ではない〉37歳シャーザーに38歳バーランダー、MLB“アラフォー”最強投手の系譜…R.ジョンソンは46歳まで現役 

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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posted2021/12/13 17:00

〈大谷翔平だけが主役ではない〉37歳シャーザーに38歳バーランダー、MLB“アラフォー”最強投手の系譜…R.ジョンソンは46歳まで現役<Number Web> photograph by Getty Images

(左)マックス・シャーザー、(右)ジャスティン・バーランダー

日本人投手メジャーリーガーの最年長記録は?

 日本人投手では、36歳から42歳までドジャースやダイヤモンドバックスでプレーした斎藤隆氏(現横浜DeNAチーフ投手コーチ)が、東北楽天で日本球界に復帰して45歳まで投げ続けた。吉井理人氏は2003年、38歳の時にオリックス・ブルーウェーブで日本球界に復帰し、千葉ロッテでプレーした2007年、42歳まで投げ続け、2013年にワールドシリーズ優勝したレッドソックスの胴上げ投手となった上原浩治氏(現解説者)は、古巣巨人に復帰して2019年、44歳まで。ドジャースやヤンキースでプレーした黒田博樹氏は、古巣の広島に復帰して2016年、41歳までマウンドに立ち続けた。

 ちなみに日本人メジャーリーガーのパイオニア、野茂英雄氏が最後にメジャーで投げたのは2008年、39歳の時で同年7月に引退を表明。同氏が古巣ドジャースに復帰した2002年当時のチームメイトで、現東北楽天の取締役ゼネラルマネージャー兼監督の石井一久氏は2013年、39歳までプレーした。

金田正一氏は意外にも…

 日本プロ野球では、中日ドラゴンズの山本昌氏が、50歳2カ月の最年長先発、49歳の最年長勝利投手、45歳の最年長完封など数々の記録を持っており、2015年に50歳まで投げ続けた。前福岡ソフトバンクホークス監督の工藤公康氏は、2010年に47歳まで。

 NPB歴代最多の1002登板と、最多の407セーブ記録を保持する岩瀬仁紀氏も2018年、43歳の時に引退。山井大介氏(元中日)が43歳、五十嵐亮太氏(元東京ヤクルト)が41歳、藤川球児氏(元阪神)、久保裕也氏(元東北楽天)が40歳まで投げ続けた。もっと古い話になると、アンダースローで有名な山田久志氏は1988年、40歳まで、NPB歴代2位の通算350勝を挙げた米田哲也氏は1977年、39歳まで投げ続けた。ちなみに米田氏の通算949試合登板は歴代2位で、40年間も保持していた同記録を2017年に破ったのが前出の岩瀬氏だ。

 意外だったのは、1969年に通算400勝(!)を達成して引退した故金田正一氏が当時、まだ36歳だったことだろう。NPB歴代4位の通算317勝を挙げた鈴木啓示氏は1985年、同10位で通算251勝の東尾修氏が1988年に、それぞれ38歳で引退していることを考えれば、昨今のNPBでは投手分業制や怪我の防止などの知識が豊富になったお陰で、投手寿命が幾らか長くなったと言えるだろう。

 冒頭に挙げた年俸約49億円のシャーザーは来年38歳、同28億円のバーランダーは39歳で、どこの国でも特例中の特例に入る部類だが、NPBでも今年の日本シリーズで史上2人目の40代での勝利投手となった石川雅規が41歳、同シリーズで村上宗隆をワンポイント救援で抑えた能見篤史(オリックス)が42歳のコーチ兼任として今も投げ続けている。「松坂世代」で現役最後の一人となった和田毅(福岡ソフトバンク)も40歳で現役で投げ続けており、アラフォー世代投手の好例として、これからも頑張って欲しい投手の一人だ。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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