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〈大谷翔平だけが主役ではない〉37歳シャーザーに38歳バーランダー、MLB“アラフォー”最強投手の系譜…R.ジョンソンは46歳まで現役
posted2021/12/13 17:00
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph by
Getty Images
マックス・シャーザー。1984年7月27日生まれの37歳。
メッツとの契約は3年総額1億3000万ドル=およそ147億円。年俸換算で約4333万ドル=現時点では史上最高の約49億円になる。
普通なら「そろそろ引退なのでは?」という30代後半の投手との超高額契約にはリスクもあるように思えるが、それがメジャーリーグで通算3度もリーグ最高の投手=サイ・ヤング賞投手になり、30代後半になってもその候補の常連であり続ける投手に対して与えられる「評価」だ。
シャーザーは今年、ナショナルズとドジャースで30試合に先発して15勝4敗(勝率.789)、防御率2.46という成績を残した。179.1回で236奪三振、9回あたりの11.8三振、同1.8与四球、同被安打6.0は最高レベル。WHIP(1イニングあたりの四球と安打の率)0.864で、今年もサイ・ヤング賞の最終候補3人に残った。
バーランダーは今年全休でも超高額の再契約
彼には絶対に負けられない元チームメイトがいる。
ジャスティン・バーランダー。1983年2月20日生まれの38歳。
2020年に右肘のトミー・ジョン(側副靭帯再建)手術を受け、今年は全休したものの、すでに今年まで所属したアストロズと2年総額5000万ドル=およそ56億6000万円の再契約に合意した(著者注:契約書にサインする前に経営者側のロックアウトになっている)。
年俸換算で28億円以上。来季終了後にはOpt Out=自分の意思でFAとなる条項が含まれているので、来季の成績次第では、タイガース時代の元チームメイト、シャーザーに匹敵する高額契約を狙ってFAになるかも知れない。
それはバーランダーが2011年のア・リーグMVPとの同時受賞を含むサイ・ヤング賞を通算2度獲得したことに対する「評価」だった。怪我する前の2019年、ア・リーグ最多の34試合に先発して21勝(6敗)、防御率2.58で最多勝投手となった。同年はリーグ最多の223.0イニングを投げて300奪三振。9回あたりの12.1三振、同1.7与四球、同被安打5.5、WHIPも0.803といずれも最高レベルで、36歳でサイ・ヤング賞を獲得している。