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〈大谷翔平だけが主役ではない〉37歳シャーザーに38歳バーランダー、MLB“アラフォー”最強投手の系譜…R.ジョンソンは46歳まで現役 

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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posted2021/12/13 17:00

〈大谷翔平だけが主役ではない〉37歳シャーザーに38歳バーランダー、MLB“アラフォー”最強投手の系譜…R.ジョンソンは46歳まで現役<Number Web> photograph by Getty Images

(左)マックス・シャーザー、(右)ジャスティン・バーランダー

MLB“アラフォー”投手たちの系譜

 シャーザーとバーランダーのような“アラフォー”のベテラン投手の活躍は、日本人メジャーリーガーが活躍し始めた1990年代半ば以降、何度か話題になっている。

 たとえばイチローがマリナーズでメジャー・デビューした2001年、38歳で20勝投手となった左腕ジェイミー・モイヤーは、ロッキーズ時代の2012年4月17日にパドレス戦でメジャー通算268勝を挙げ、ニューヨークのブルックリンに本拠地を置いていた時代のドジャースでプレーしたジャック・クインという投手の49歳74日を破る49歳151日というメジャー最年長勝利記録を樹立した。モイヤーは同年を最後に引退している。

 同じ2001年、39歳で20勝を挙げて通算6度目のサイ・ヤング賞を獲得したロジャー・クレメンスは、アストロズに移籍した2004年、42歳で史上最多となる通算7度目のサイ・ヤング賞を獲得した(著者注:以下、すべてMLBで投げた最終年を指す)。

 イチローがマリナーズに来る前に「背番号51」を背負っていた左腕ランディ・ジョンソンは、アストロズを経てダイヤモンドバックスに移籍した1999年、36歳からの4年連続を含む通算5度もサイ・ヤング賞を獲得している。引退したのは46歳の時だ。

 他にも先頃、41歳で引退したばかりの松坂大輔氏がレッドソックスでメジャー・デビューした当時の同僚で、ナックルボーラーのティム・ウェイクフィールドや、北海道日本ハムの新監督となった新庄剛志氏、千葉ロッテ投手コーチの吉井理人氏、埼玉西武のヘッドコーチの松井稼頭央氏らのメッツ時代の同僚で救援左腕のジョン・フランコなど、我々日本人メディアが現地取材する中で遭遇したアラフォー世代の投手は多い。

 東京ヤクルトの小川泰弘投手のニックネーム「ライアン」のルーツであり、日本人メジャーリーガーなど皆無だった時代から日本で人気のあったノーラン・ライアンは1990年、43歳の時に通算6度目のノーヒッターを達成するなど、30試合に先発して13勝9敗、防御率3.44、204.0回を投げて232奪三振、9回あたりの10.2奪三振、同6.0被安打、WHIPの1.034はメジャー最高レベルだった。ライアンは生まれ故郷のテキサス州を本拠地とするアストロズからFAとなった41歳の時、日本のプロ野球でプレーする可能性もあったというが、同じテキサス州のレンジャーズに移籍して、44歳になった1991年にも史上最多記録を更新する通算7度目のノーヒッターを記録するなどして46歳まで投げ続けた。

【次ページ】 日本人投手メジャーリーガーの最年長記録は?

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