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《引退》首脳陣批判のサファテに工藤監督は頭を下げた⋯日本在籍11年、福岡で愛された“キング・オブ・クローザー”の「漢気列伝」とは
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph bySankei Shimbun
posted2021/12/01 11:06
MLBでプレー後、広島、西武を経て2014年からソフトバンクにやってきたサファテ。2017年日本シリーズで見せた投球は、鳥肌が立つ“激投”だった
21年11月30日、サファテは現役引退を表明した。ホークス球団公式サイトに寄せた2000文字超の長文メッセージにはたくさんの感謝の言葉が散りばめられていた。
名球会入りまで残り「16セーブ」だった
カープ、ライオンズを経てホークスへ。11年間も日本球界に在籍した。通算成績は427試合で27勝20敗、234セーブ、防御率1.57。
名球会入りとなる通算250セーブまで残り16だった。
「グリーンジャケットが貰えるんだよね。ぜひ欲しい。それに合うズボンとネクタイを探しておかないとね」
それが叶わなかったのは残念でならない。しかし思えば、大型契約を結んだこの3年間で一軍登板が一度もなかったにもかかわらず、チーム内はもとよりファンの間からでさえ非難の声がほとんど上がらなかった。こんなに多くの人に認められた投手がかつていただろうか。
さらば、キング・オブ・クローザー
サファテは惜別メッセージの最後にこのように記していた。
「私はこの先もう野球をプレーすることはありませんが、将来的にはこれまでの経験とチームメイトの成長をサポートした経験を活かし、ホークスがこの先も常勝チームであり続けるために何らかのお手伝いができればと願っています。これは永遠のお別れではなく、一時的なものです。また近いうちにお会いしましょう!」
PayPayドームのグラウンドで再会できる日を信じたい。登場する際は、お馴染みだった「THE KING OF CLOSER」の大型ビジョンの文字とBGMに乗せて。あの演出がたまらなく格好良かった。キング・オブ・クローザーことデニス・サファテはずっと我々の誇りだ。