野球のぼせもんBACK NUMBER
熊本支援と外国人投手初の名球会を。
SBサファテ、日本と九州への恩返し。
posted2017/04/19 11:00
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph by
Kyodo News
観測史上初めて、同一地点を震度7が二度襲った熊本地震。最初の激震からちょうど1年の4月14日、福岡ヤフオクドームではナイターの前にホークスとバファローズが互いに協力して、募金呼びかけの活動を行った。
ホークスの工藤公康監督は「東日本大震災もそうだが、風化をさせないことが一番」と神妙な顔つきで思いを語った。
昨夏、熊本地震に関連した原稿で同様のコメントを書き入れたところ「逆に風化するくらいの方がいい」という声をいくつか頂戴した。地震報道がなされれば、被災者の苦しみや悲しみを蒸し返したり、取り戻しつつある笑顔の妨げになったりするのではないのかという配慮に基づいたものだった。
とはいえ、被災地の復興はまだ歩み出したばかりであるのは確かだ。今年3月末時点でも4万7千人以上の方が避難生活を強いられているし、被害の大きかった阿蘇地方では熊本市内につながる大動脈の国道57号線が寸断されたまま。
地元で話を聞くと「復旧の目途すらまだ立ちません。2017年中の開通も無理でしょう」と肩を落とす方もいた。また熊本のシンボルであり、熊本人の誇りでもある熊本城は修復に20年かかるとも言われている。
チームのチャリティー活動には必ずサファテの姿が。
選手会長の長谷川勇也は「伝わってくる情報は少なくなりつつある。だけど、まだ手助けを必要としている人はたくさん居るということを改めて再認識する日だと感じました」と口にした。
ホークスは今年3月11日に行われたオープン戦の試合前にも、東日本大震災被災者支援の募金活動を実施した。また、毎年5月の母の日に近いタイミングでは、乳がんの撲滅や早期発見の啓発・推進を呼びかける「ピンクリボン運動」のチラシ配布などといった活動も積極的に行っている。
その場面、場面には、必ずといっていいほどホークスの守護神であるデニス・サファテの姿がある。