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「落合さんの技術を盗みたい」「彼ほど誤解されている人もいない」立浪和義が憧れ、三冠王バースと王貞治が称えた落合博満の《天才性》
posted2021/12/01 17:06
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
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<名言1>
あの手首を柔らかく使う落合さんの技術を盗みたい。
(立浪和義/Number739号 2009年10月15日発売)
◇解説◇
日本プロ野球唯一となる三度の三冠王、NPB史上最高の出塁率.487(1986年)、大事な場面で相手エースを打ちのめす一撃……落合博満の打撃は記録にも記憶にも残る衝撃的なものだったが、同じ時代に現役を過ごした後輩選手たちにも大きな影響を残した。その1人が、ミスタードラゴンズの立浪だ。
PL学園で主将として87年の甲子園春夏連覇を達成し、ドラフト1位で中日に入団。88年には星野仙一監督の抜擢もあって新人王、高卒ルーキー史上初のゴールデングラブ賞を獲得、リーグ優勝も経験するなど一気にスター選手へと駆け上がった。
落合が打撃練習を始めると必ず打撃ケージの後ろへ
そんな若き立浪にとって、最高の教科書が目の前にいた。
落合が打撃練習を始めると、必ずバッティングケージの後ろでその姿を見つめる立浪の姿があったという。野球へのあくなき向上心が小さな体を支えていたのである。
そんな立浪が2022シーズン、中日の新監督に就任した。
「星野(仙一)監督から始まり、高木(守道)監督、山田(久志)監督、落合(博満)監督と素晴らしい指導者のもとでプレーさせていただきました。たくさんいいところを見てきたので、教訓にするというか、頭に入れて指導したい。理想の監督像は思い浮かばないです」
このように就任会見で語った立浪は秋季キャンプで、早くも根尾昂らの若手相手に溌溂と指導した。その一方で選手たちとコーチ陣の間で“練習免除じゃんけん大会”を開催するなど、メリハリある指導を行なっている様子が球団公式YouTubeで配信されて話題になった。
培ってきた技術と圧倒的な統率力を前面に、低迷が続く中日を再び強竜軍団へと押し上げられるか。