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[若き日本の守護神]栗林良吏「悔いのない、でき過ぎな一年」
posted2021/12/04 07:05
text by

鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Takuya Sugiyama
マウンドに向かう準備が整い、味方の攻撃が2死になると必ず1回、ブルペンのベンチに腰を下ろして出番を待つ。
「結構、僕、緊張するタイプなんです」
プロ1年目からルーキーらしからぬマウンドさばきを見せてきた広島・栗林良吏投手の口から意外な言葉が飛び出してきた。
「だからブルペンで投げたままでマウンドに行くと、疲れ切ってしまうんです。それで1回落ち着いて、休憩してから行くようにしていました。マウンドに上がれば気持ちも自然と高まる。ならば肩だけしっかり作って、それから一度、気持ちを落ち着かせてからいこうと、かなり早い時期から、そういうルーティンになりました」
そんなルーティンで登板した53試合。リーグ2位の37セーブを挙げ、新人記録の開幕22試合連続無失点、プロ野球歴代2位タイの20試合連続セーブを達成した。熱狂的な赤ヘルファンが待つ本拠地マツダスタジアムでは、27試合の登板でついに1点も失うことなくシーズンを終えている。
「おそらく今年の成績以上というのは、この先ももう出せないと思います。普通ならあのときこうすれば良かったとか、必ず後悔は出てくる。でも今年はそれを感じさせないくらいにでき過ぎの一年でした」
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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