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[第4戦 KEYMAN]中村悠平「燕の要は攻めてこそ」

posted2021/12/03 07:04

 
[第4戦 KEYMAN]中村悠平「燕の要は攻めてこそ」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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Nanae Suzuki

 またも1点差の接戦を制してヤクルトが王手をかけた。

「本当に競ったところで相手に1点を与えない、何とか1点を奪うというゲームが続けて出来ているのかなという気がします」

 試合後のお立ち台。勝利監督インタビューに答えた高津臣吾監督の第一声だ。

 1点を守り、1点を奪う。その高津野球の象徴的な存在が、守備の要として投手陣を引っ張る捕手の中村悠平だった。

 この日も先発左腕・石川雅規を大胆にリードした。当たっているオリックスの3番・吉田正尚の第1打席。内角シュートと外のスライダーでカウント1-2と追い込むと、見せ球も使わずすぐさま内角に決め球のシンカーを落としてまったくタイミングの合わない空振り三振を奪った。

「オリックスの打線を意識せず、バッター、バッターになり過ぎず、1年間やってきたこと、投手の一番いいところを引き出そうと研究しています」

 前日には先発・小川泰弘が得意のフォークを使って、吉田正尚から2三振を奪っている。シーズンを通じて455打席でわずか26三振。三振率は実に5分7厘というオリックスの主砲から、このシリーズでは4戦18打席ですでに4つの三振を奪っている。背景には吉田対策を第一にするのではなく、まず投手主体で持ち味をしっかり引き出すことを考えた中村のリードがある。

 真骨頂は初戦でサヨナラ負けを喫した守護神、スコット・マクガフを強気に引っ張った9回だった。2死二塁。一打同点の場面で5番のT-岡田に対して要求したのはスプリットの連投だ。ストレートを1球挟んで、全6球中5球、最後は3球続けてマクガフに決め球を要求して一ゴロに仕留めての逃げ切り。自信を失いかけた守護神を完全復活させたのも、中村の大胆な配球だったのである。

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