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バロンドールを逃してメッシも同情…“腹筋バキバキ”レバンドフスキを支える“元空手選手”妻アンナのスゴすぎるサポートとは? 

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パトリック・シュトラッサー

パトリック・シュトラッサーPatrick Strasser

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posted2021/12/01 17:00

バロンドールを逃してメッシも同情…“腹筋バキバキ”レバンドフスキを支える“元空手選手”妻アンナのスゴすぎるサポートとは?<Number Web> photograph by Getty Images

バロンドールの獲得はならなかったが、「ストライカー・オブ・ザ・イヤー」を受賞したロベルト・レバンドフスキ

 “ボベック”が、身体のいかなる筋肉繊維までをも常に意識して生きる、鍛錬されたプロ選手になってからしばらく経つ。レバンドフスキの身体は彼の資本であり、常時大切に扱っている。

 ハンジ・フリック前監督は、レバンドフキの身体をF1のレースカーに例えていた。「最高のパフォーマンスができるよう、一つ一つのディテールを見ている」からだと。ユリアン・ナーゲルスマン現監督も、「ロベルトは世界最高のストライカーだ」と言い、それは「90分間何もしないで立っているだけのことは滅多にないし、あるいはゴールを決められずに『もういい。お前ら勝手にやれ』と怒ったりすることもない」からだという。

 得点に対する貪欲さの他に、このスポーツと驚くほど真摯に向き合い、いつでも全力を傾ける姿勢があるのだ。

 34歳のナーゲルスマンは今年7月以来、レバンドフスキと一緒に仕事ができていることを「幸せ」だとさえ言う。「彼のような成功があれば、時として、その成功にもたれかかってしまう選手もいるだろう。ロベルトの場合、もし本当にもたれかかったとしても、再び起き上がってシット・アップをしてしまうだろう」と笑う。

妻が管理する食事「デザート・ファースト」

 レバンドフスキの成功の土台には5つの柱がある。

 フィットネス、リカバリー、食事、睡眠、メンタルパワー。

 家でワークアウトをする時には、元空手選手のアンナ夫人と一緒にすることも多い。アンナはロベルトのリカバリーと食事の“担当”でもある。スポーツと食事に関する著書はすでに8冊もあり、栄養アドバイスを含む携帯用フィットネスアプリまで開発しているのだ。その中で一番重要な要素は、グルテンフリー、ラクトーゼフリー、乳製品フリー、揚げ物は一切なし。その代わりに野菜を豊富に、米、グルテンフリーの麺、魚、肉は少なめに摂る。

「ロベルトが今何を必要としているかを知るために、一定期間ごとに血液のチェックをしています」とアンナ。その数値により、どのビタミンやミネラルがさらに必要かを判断する。「そして、ゆっくり時間をかけて食べることも重要です。それは私たちにとって簡単じゃないのですけど」。変わっているのは、「デザート・ファースト」というルールだ。アンナによると、消化、という点では臓器にいいのだそうだ。

 睡眠も、長さだけでなくその質も、リカバリーのために必須の要素だ。寝室に青っぽい色の照明は使わない。最適な空気(枕にラベンダーオイルを垂すのも含めて)、睡眠用アイマスク、アーゴノミックス・デザインのマットレス、体を休める時間に合わせた食事。偶然はレバンドフスキ家に存在しない。その代わりにいくらでもあるのは、秩序、学習意欲、粘り強さ、猛烈な野心である。

【次ページ】 「強い男の後ろには、強い女がいる」

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