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《ジャパンC》過去のダービー馬3頭競演で「ダービー馬は一度も勝っていない」という現実…夢の“4世代対決”でコントレイルはどうなる?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPhotostud
posted2021/11/27 11:04
前走、天皇賞・秋でのコントレイルと福永祐一。ジャパンカップが現役最後のレースとなる
そうした不安のある同馬にとって、後入れの偶数枠である1枠2番を引いたことは大きなプラス材料だ。両隣の馬もゲートからそれほど前に行くタイプではないので、多少、ロスがあったとしても、囲まれて内に閉じ込められる心配もない。
矢作調教師が「神様に気に入られた馬」と言ったのも頷ける。
今月上旬、同師が管理したラヴズオンリーユーが日本馬として初めてブリーダーズカップフィリー&メアターフ、マルシュロレーヌがブリーダーズカップディスタフを制すなど、厩舎に勢いがあるのも心強い。
「秋2戦で引退」と先にアナウンスしてからの出走となった前走もお釣りのない仕上げだった。が、それでもやはり、叩いた上積みは大きかったようで、同師は「反動というより一段上がった」と話している。
最後の大舞台で、本来の姿を見せてくれそうだ。
史上初、4世代のダービー馬が一堂に集結
このコントレイルをはじめ、マカヒキ、ワグネリアン、シャフリヤールと、4世代ものダービー馬が集結するのは、もちろん史上初のことである。ジャパンカップで3世代のダービー馬が競演した例は過去に、2008年(ディープスカイ、ウオッカ、メイショウサムソン)、17年(レイデオロ、マカヒキ、ワンアンドオンリー)、19年(ワグネリアン、マカヒキ、レイデオロ)と3度ある。
ひと昔前は、古馬になってからも走りつづけるダービー馬が少なかったので、こうした豪華競演など考えられなかった。境目となったのは、05年にダービーを含む三冠を制したディープインパクトあたりだ。
ディープを含め、05年から昨年までの16年のダービー馬と、ディープの前まで、つまり、1989年から04年までの16年のダービー馬を比較すると一目瞭然。古馬になってからも現役をつづけたダービー馬は、ディープを含めたディープ後は13頭いるのに対し、ディープ前は、新しい順に、ジャングルポケット、スペシャルウィーク、ナリタブライアン、ウイニングチケット、トウカイテイオーの5頭しかいない。