ダービー馬3頭出走のJCで、ダービー馬は一度も勝っていない現実

　かつては、みなが目標にするダービーは非常にタフなレースで、そこを勝った馬は心身ともに消耗してしまうため、その後も走りつづける馬は少ないと見られていた。

　それがここまで変わったのは、馬を傷めずに負荷をかける調教技術や施設、馬の健康状態を管理する技術の進歩が大きいのだろう。

　そのおかげで、今週末、歴史的な豪華競演を見られるわけだが、先述した、3頭のダービー馬が出た08年、17年、19年のジャパンカップを勝ったのは、それぞれスクリーンヒーロー、シュヴァルグラン、スワーヴリチャードと、ダービー馬ではなかった。

　今年はしかし、コントレイルのほか、天皇賞・秋を制したエフフォーリアをダービーで鼻差下したシャフリヤール（牡3歳、父ディープインパクト、栗東・藤原英昭厩舎）も、非常にいい状態で出てくる。

　◎コントレイル

　○シャフリヤール

　▲マカヒキ

　ハイレベルな3歳の頂点に立ったシャフリヤールは、東京のスピード馬場が最も力を出せる舞台だろう。

　マカヒキは、約5年ぶりの勝利を挙げた前走の京都大賞典の感動を、もう一度味わわせてほしいという願いをこめての▲。個人的に、3歳時のことではあるが、ゴールする瞬間の他馬との速度差で圧倒する感じが、ディープ産駒のなかで最も父に近いと感じた馬だ。見せ場をつくってほしい。