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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
シャビ新監督41歳は暗黒バルサを救えるか 《メッシとの黄金連係・涙を撮ったカメラマン》が就任会見・初采配に見た“希望”とは
posted2021/11/23 06:01
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
ラ・リーガやヨーロッパサッカーの試合を写真に収める現地在住の日本人フォトグラファー中島大介氏。そのオリジナル写真を定期的に掲載している。今回はバルセロナに監督という形で帰還したシャビについて、監督就任会見と初陣のエスパニョール戦、そしてメッシらと築き上げた現役時代の好プレーを取り上げてもらった。
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代表ウィークに入った11月8日、バルサの新監督に就任したシャビの就任セレモニーが行われました。
目頭を熱くし、バルサの応援歌を歌う場面も
メッシの退団とともに始まった今シーズン、リーガ、CL両方で不調が続くバルサは、クラシコの敗戦に続いて、10月27日に行われたアウェイでの対ラージョ戦での黒星によりクーマン監督の解任を決定。後任最有力のシャビは、アルサッドで監督をしていたために、契約解除の条件などに焦点が当てられていました。
バルサからシャビ就任のリリースが出たのが11月6日。交渉の間はバルサBの監督が暫定でトップチームの指揮を取りましたが、2節にわたって暫定監督で戦っています。このことからも、クーマン前監督の続投路線から急転した決定が想像できます。
就任セレモニーは平日の13時から行われましたが、1万人近いファンが駆けつけ、事前に配られたクラブエンブレムの旗をはためかせ、シャビの監督としての帰還を大きな声援で迎えました。
シャビはピッチに出てくると、まずはカンプノウに集まったファンに向けて挨拶をしていました。その後は、シャビとバルサ会長ラポルタが固く握手、肩を組んで信頼の厚さを示していました。シャビがマイクを持って語りかける際には再び、シャビコール。本人は涙こそ見せませんでしたが、目頭が熱くなっているようでした。
新監督のお披露目がカンプノウのピッチで行われたことにも驚きましたが、契約書へのサイン自体もファンに見守られる形でピッチの上で行われたのは、初めて目にしました。
その後は、シャビの奥さんなども含めて記念撮影が行われました。監督就任にも関わらず、ユニホームが用意されるほど。契約のサインが済むとホッとする部分もあったのか、ファンが歌うバルサの応援歌に合わせて、シャビ、ラポルタも声を出すような場面もありました。
新生バルサが垣間見えた“練習中の鳥かご”
そしてシャビの監督就任から代表ウィークを経た11月20日、バルサでの初采配となるバルサ対エスパニョール戦を撮影しました。両クラブがバルセロナをホームタウンとするバルセロナダービーということも相まって、今節一番の注目を集めるゲームでした。
ゲーム前のアップを担当するスタッフも、メニューも変更されました。スタメン組がロンド(鳥かご)をやっているのは珍しいなと感じるとともに、別のメニューでは相手を押し込みながらボールを展開しシュートまで持っていくようなものがあり、新生バルサの方向性の一端が垣間見えました。