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菊池雄星、大谷翔平、佐々木朗希…なぜ岩手から“野球界の怪物選手”は生まれるのか? 現地取材で導く「3つの理由」
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph byGetty Images/Nanae Suzuki/JIJI PRESS
posted2021/11/19 17:03
菊池雄星、大谷翔平、佐々木朗希など、近年岩手から野球界のスターが生まれ続けている
岩手にとってメジャーはもう遠い存在ではない
育成段階の子供たちを支えるすべての指導者、スタッフ、保護者を含めたサポートの方達の情熱と努力が選手の道を作り、それを受けた高校の指導者がうまく開花させる。駅伝で襷を繋ぐように、指導者たちが襷渡しをしていく。その一連の流れが、今の岩手の高校野球を支えている。
大谷、そして菊池の存在でプロ野球はもちろん、メジャーリーグもとても近い存在になった。強豪校の練習試合を観戦している年配の男性たちは、挨拶がわりにMLBのホームラン王の話題を、リトルリーグの小学生たちは自分たちの試合の合間におにぎりを頬張りながら、大谷やチャップマン(ヤンキース抑え)の球速について熱弁を振るう。ちょっと不思議な光景だが、彼らにとってメジャーはもう遠い存在ではない。
岩手県は元々野球好きという土地柄もあった。しかし花巻東のセンバツ準優勝という結果から、多くの人の意識が変わり、それがまた結果を生むという相乗効果になり、切磋琢磨を続けている。大谷、菊池、佐々木の活躍によってさらに野球熱が高まるのか。楽しみだ。