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「これはまずい」観衆の半分がマスクなし大声で応援+密集… W杯決定ブラジル戦の会場を撮った《国内コロナ死者61万人》

posted2021/11/16 17:02

 
「これはまずい」観衆の半分がマスクなし大声で応援+密集… W杯決定ブラジル戦の会場を撮った《国内コロナ死者61万人》<Number Web> photograph by Getty Images

カタールW杯出場を決めたブラジル代表。現地の応援スタイルはどうなっている?

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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佳境を迎えつつある各大陸のカタールW杯予選。コロナ禍においてどのように開催されているのか。感染爆発に苛まれたフットボール王国ブラジルのW杯予選に足を運んだ現地在住記者が、写真とともに突撃レポートする。

 ブラジルは、今月中旬までの累計の死者が61万人余りで世界で2番目、感染者が約2200万人で世界で3番目に多い新型コロナウイルスの“超大国”だ。人口100万人当たりで日本と比べると、死者が約207倍、感染者が約138倍と、2桁違う。

 昨年2月に欧州からの帰国者がウイルスを持ち込むと、感染が急拡大。3月中旬から事実上のロックダウンが敷かれ、すべての試合が延期された。

 5月に始まって年末まで行なわれる予定だったブラジルリーグは、8月に無観客で開幕。全日程を終えたのは、今年の2月末だった。

 今季は1月中旬に各地で州選手権が始まり、5月末にブラジルリーグが開幕。やはり無観客で行なわれていたが、ワクチン接種が進んだことから、ようやく10月、ブラジルサッカー連盟(CBF)は以下の条件を満たす観客の入場を認めた。

 1)ワクチンを2度接種し、14日以上経過している者
 2)ワクチンを1度接種し、試合開始の48時間以内にPCR検査を、もしくは24時間以内に抗原検査を受けて陰性だった者

 当初は収容人員の30%前後に制限されていたが、今月初めから50%前後へ増え、今月中旬から制限がなくなった。

声出しOK、マスク着用義務なし

 ただし、観戦中、日本のように声を出しての応援が禁止されているわけではない。観客全員がワクチンを一度は接種している、もしくは検査で陰性が証明されていることに加え、禁止しても遵守されるとは思えないからだろう。

 また、スタジアム内ではマスクの着用が推奨されているが、強制されているわけではない。

 2022年ワールドカップ(W杯)南米予選は、昨年3月に始まる予定だったが、実際には10月に始まった。しばらくは無観客だったが、今年9月以降、ブラジルを除く南米各国で収容人員の50%程度の観客を入れるようになった。

 ブラジルでは、10月14日のウルグアイ戦(試合地はマナウス)で初めて観客を入れることになり、チケット以外にCBFが発行する「パスポート」(ワクチンの接種証明や検査の陰性証明、健康診断問診票などをインターネットで送って取得)と身分証明書の提示を義務付けた。

 この試合は、スタジアムの収容人員の30%弱の1万3000人が観戦。ブラジルが4-1で宿敵に快勝して観衆を喜ばせた。

22大会連続のW杯出場を懸けた一戦

 そして、今月11日、僕が住むサンパウロでコロンビア戦が行なわれる。CBFは、スタジアムの収容人の約74%に相当する3万5000枚のチケットを販売すると発表。入場に関する条件は、ウルグアイ戦と同じだった。

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