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西田優大&角野亮伍の新・Wエースが躍動《常勝三河》の復権を予感させる、シーホース三河の「崩れない強さ」
posted2021/11/05 17:00
text by
山田智子Tomoko Yamada
photograph by
B.LEAGUE
今季、新たなWエースの台頭が、常勝三河の復権を予感させている。
比江島慎と金丸晃輔。タイプの異なる2人のエースを擁し、常勝を誇ったシーホース三河。しかし3年前に比江島がチームを去り、今オフには長くチームを支えてきた金丸が退団した。
大きな変革期を迎えた今季、同ポジションに新たに加わったのが、今春東海大学を卒業した西田優大とプロ2年目の角野亮伍の若きスコアラーだ。西田は大学時代からA代表合宿にコンスタントに招集され、2019−20シーズンは名古屋ダイヤモンドドルフィンズ、昨季は新潟アルビレックスBBでBリーグの舞台を経験している。角野は史上最年少(当時)で日本代表候補に選ばれ、「世代最強スコアラー」と評される逸材。ただ、いかに将来有望な2人とはいえ、昨季のMVP・金丸の穴を埋めるには少し時間を要すると思われていた。
次世代エース争いがチームの起爆剤に
しかし、その予想はいい意味で裏切られる。開幕節の大阪エヴェッサ戦、鈴木貴美一ヘッドコーチ(HC)は将来のエース候補2人をそろってスターターに起用。開幕戦こそ「古巣対戦でガチガチになって」(角野)、力を発揮できないまま敗戦したが、第2戦では角野が23得点、西田が15得点とともにキャリアハイを記録。早くも指揮官の期待に応える活躍を見せた。
おっとりとした性格で、相手の状況を冷静に見極めて攻撃を仕掛ける西田と、負けん気が強く、ディフェンスがいてもおかまいなしにガツガツと点を取りに行く角野。タイプの異なる点取り屋は、開幕に向けて激しいポジション争いをしてきた。それが今になって生かされていると西田は話す。
「来てすぐの頃は、スタートも決まってなかったし、5対5をするにしても僕と亮伍さんがマッチアップすることが多かったので、すごく意識していました。
亮伍さんはBリーグのウイングの中でもレベルの高い選手。今はスタートで、両ウイングとして同じ時間帯に出ることが多いのですが、最初の頃に亮伍さんとずっとやり合いをしていたので、逆に試合が楽に感じられる。お互いにやり合って、もっとチームを底上げできればいいなと思います」
一方の角野も「『プレッシャーがあった方が、お前にはいいんだ』とよく父親に言われます。自分を追い込んだ状態の方が力を発揮できることが多いので、そういう意味で、優大の存在は、さぼったら、抜かれるし、突き放されていくぞって、いい刺激になっています」とライバルの存在を歓迎している。