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西田優大&角野亮伍の新・Wエースが躍動《常勝三河》の復権を予感させる、シーホース三河の「崩れない強さ」
text by
山田智子Tomoko Yamada
photograph byB.LEAGUE
posted2021/11/05 17:00
「得点王が目標」とエースの自覚が芽生えた角野(左)と、新人王の呼び声高いルーキー西田(右)
「みんな調子がいいので、僕だけなんですよね。けが人減らして、選手層を厚くして、僕が調子を戻す。そうすればもっと強くなると思うんです」
そう話す角野の表情は明るい。角野がこの壁を乗り越える日は、そんなに遠くはないかもしれない。
チームの一体感が生みだす崩れない強さ
この全く正反対な若きエースが、これからの三河をどう引っ張っていくのか興味深い。2人だけではなく、「全員特徴が違って、バランスが良いのが今年のチームの強さだ」と角野は面白い分析を聞かせてくれた。
「今年のチームは、相手に合わせて臨機応変に考えるし、その考えに合わせたプレーをできる選手がそろっている。誰かが調子が悪くても、どこかで必ず勝てるところがあり、そこをうまくつけているから、競った試合も落とさずにこられてるんじゃないかなと思います。
HCからの指示ももちろんあるんですけど、それよりも、コートの中でみんなですごい話し合って、『今こういう状況だからこういうプレーをしよう』『(相手の)ここが弱いからそこを攻めよう』と選手が主体となって作っているっていうイメージなんですよ。だから、チームが波に乗っているっていう感覚よりは、その一人一人の考えがハマってるって言った方が近いかもしれません」
西田も同様のことを口にする。
「一応既存のセットプレーとかもあるんですけど、それをちょっと応用するというか。今こういうところでボールが欲しいからちょっとセットプレーをいじって、その場で話し合って即興でやってみる、ってのが結構練習中から多いですね。みんな即興でやってちゃんとプレーできるんで、すごいなと思います。自分もいるんですけどね(笑)。普段からコミュニケーションがよく取れているからできるんじゃないかと思います」
連勝は、単に若いチームが勢いに乗った結果ではない。チームの一体感が、即興的なプレーを可能にし、それが勝利に結びついている。
「群馬にオーバータイムで勝ったときも、すごい結束力というか、チームで勝った感がありました。ディフェンスを頑張ってもベンチがすごい盛り上がりますし、すごく楽しいなと思って試合をしていました」(西田)
若い選手が成長を続け、チームで戦う今季の三河。簡単には崩れない強さを感じさせる。
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