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西田優大&角野亮伍の新・Wエースが躍動《常勝三河》の復権を予感させる、シーホース三河の「崩れない強さ」
text by
山田智子Tomoko Yamada
photograph byB.LEAGUE
posted2021/11/05 17:00
「得点王が目標」とエースの自覚が芽生えた角野(左)と、新人王の呼び声高いルーキー西田(右)
西田は9試合を終えて平均11.6得点。ディフェンスでは大阪のディージェイ・ニュービル、群馬クレインサンダーズのトレイ・ジョーンズ、新潟のコービー・パラスなど、相手のエース封じの役割を担ってきた。このままの活躍が続けば、新人賞どころか、それ以上も狙えるかもしれないと期待させる。
「群馬戦が終わった頃の練習で、HCに呼ばれて、『お前が日本人のエースだぞ』と言われました。それまで僕の役割は、若手らしくフレッシュにアタックしてチームを勢いづけることだとずっと思っていたので、言われてハッとしたじゃないですけど、『もっと俺、やっていいのかな』って感じました。自信にもなりましたし、自覚が芽生えました。ボールを持つときは積極的にアタックするとか、ノーマークの3Pをしっかり打ち切るとか、責任を持ってちゃんとやらなきゃと思うようになりました」
ただ、伝統ある三河のエースを託された22歳に、気負いは微塵も感じられない。「プレッシャーには全く感じてないです。それよりものびのびプレーすることを意識しています」と終始ニコニコとリラックスした笑顔で話し続ける。「悪い意味でコートの中で優しすぎると言われますね。このポジションを絶対に勝ち取るっていうよりは、出た時間でちゃんと仕事をこなしたいなという感じで。自分でももっと貪欲さが必要だと思います」
エース候補が直面する壁
もう一人のエースとして期待される角野は、その貪欲さゆえに、壁にぶつかっている。
「ここまでの自己評価は100点満点で言ったら、30点くらいですね。最近は良くない試合があったときに、次の試合でどうにか取り返してやろうという気持ちが強くて、それが前面に出すぎていると見ているみんなに言われます。だから、ディフェンスを一生懸命やるとか、走るとか、声出すとか、自分でコントロールできるところに重点を置いて、そこからリズムをつかんでいこうと考えるようになりました。開始10試合くらいでそれに気づけたのはよかったです」
角野は今季の目標に「得点王」を掲げている。「大阪戦のように20点取れている試合もあるので、それくらいの点を取る能力は自分でもあると思っています。実際に取れていないのは、やっぱり気持ちの問題かなと思う。でも、得点を取ることは、ずっと自信を持ってやってきたことなので、今までの自分に嘘をつかないような活躍がしたいです」とあくまで強気な姿勢を崩さない。