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「藤井聡太三冠が負けて机に突っ伏してる…」強さも悔しがる姿も“絵になる” 観る将マンガ家が描く《10月の将棋ハイライト》
posted2021/11/02 11:06
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph by
日本将棋連盟/Junsei Chida
(1)女流棋士の美しい戦い&ABEMAでのトップ棋士との企画が面白い
10月はこのイラスト企画で初挑戦になりますが……女流棋士の皆さんのご活躍を描いていこうと思います。
この秋から新たな女流タイトル「白玲戦」が始まりました。1500万円という優勝賞金が話題になった同タイトルは、西山朋佳女王・女流王座・女流王将と渡部愛女流三段のカードとなり、初代白玲の座に輝いたのは、西山女流四冠でした。
4連勝と実力を発揮した西山女流四冠は14歳で関西の奨励会に入会し、初となる「女性棋士」を目指し続けてきたと知りました。今年4月に奨励会を退会して女流棋士としての戦いを本格化させていますが、さすがの強さというか……。「プロ編入試験」での「女性棋士」への期待も持ち続けたい一方で、女流としての強さからも目が離せません。
その女流棋士界で、西山女流四冠とともに偉大な実績を積み上げてきたのは里見香奈女流四冠(清麗・女流名人・女流王位・倉敷藤花)であることは間違いありません。
女流棋士としてタイトル獲得計44期に女流六冠達成と圧倒的な実績を持つ第一人者です。そんなタイトルを分け合う2人が10月28日から始まったリコー杯女流王座戦(里見女流四冠が先勝)、そして11月4日に最終局が行われる霧島酒造杯女流王将戦(1勝1敗)と、大勝負が続きます。タイトル戦での成績においては、西山女流四冠が4連続勝利を見せています。その中で里見女流四冠が初の直接対決勝利となるか、はたまた……必見の戦い続きで、本当に毎日将棋界から目が離せません(笑)。
トップ棋士も参加するトーナメント戦が面白い
2人の熱いライバル関係についてまずは触れましたが、女流棋士を取り上げたいと思ったのは「女流ABEMAトーナメント」が始まったこともきっかけの1つです。藤井聡太三冠がリーダーの「最年少+1」の優勝で「ABEMAトーナメント」の幕が閉じた……と思いきや、女流棋士編がスタート(やっぱりドラフト会議も面白かった)。そして各チームには「監督」という役割で渡辺明名人、森内俊之九段、屋敷伸之九段、藤井猛九段、広瀬章人八段、中村太地七段といったトップ棋士も参加するなど、楽しみな展開が続いています。
……が、やはりABEMAトーナメント、女流でも各チームの企画動画が面白いんです。箇条書きにしてみます。