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Jリーグ復帰・長友佑都35歳が明かす、あのFC東京「正直ぬるい」発言で本当に伝えたかったこと「僕は勝つために雇われている」
posted2021/10/31 11:05
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
F.C.TOKYO
敢えてチームに苦言を呈すことには勇気がいる。
誰もができることではない。説得力を持つ人の発言でなければ、重みを持たないからだ。ただそれを先にメディアに発してしまうと、誤解されかねない。敢えて外に発信することで強く刺激できるとはいえ、これまた勇気がないとできない。
9月下旬のこと、Yahoo!ニュース トピックス(ヤフトピ)に長友佑都の発言が上がっていた。
35歳の誕生日となる9月12日に古巣・FC東京に完全移籍を果たして大きな話題となったのはご承知のとおり。味の素スタジアムで11年ぶりとなるJリーグ復帰戦を終え、後日にスポーツ紙の合同インタビューに応じた際「(12日の)柏レイソル戦も見たけど、正直ぬるいなと感じた。勝つチームの雰囲気ではないと」という発言が見出しになって取り上げられた。
正直ぬるい。
実に刺激的かつ挑発的な一言だ。
安易に発言してしまうタイプの人ではない。またチームにとってマイナスになることを吐く人でもない。
スポーツ紙のインタビュー全文を読めば何となく彼の気持ちは伝わってくるのだが、発言の真意を知るべくアジア最終予選オーストラリア戦を終えたタイミングで隔離期間中にリモートインタビューに応じてもらった。「正直ぬるい」発言を振ると、彼は苦笑いを画面に向けた。
「正直ぬるい」発言の真意
「取り上げ方もあるとは思います。あの部分だけを切り取られると“結構言ったな”みたいになりますけど、いろいろなことを語ったなかでの一つでした。ただそういう発言をしたのは、(FC東京が)勝てるチームの雰囲気ではないなって素直に自分が感じたところだったから。それを正直に言っただけです。ただ、あと一つは、自分にプレッシャーを掛ける意味があります。むしろこちらのほうが大きい」
浅い息を挟んですぐに言葉をつなごうとする。もう苦笑いはない。