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「僕には才能がない。だからこそ上を」青森山田・松木玖生(18)が明かす“ビッグマウス”の裏にある思い《FC東京入りの真相》

posted2021/10/20 17:04

 
「僕には才能がない。だからこそ上を」青森山田・松木玖生(18)が明かす“ビッグマウス”の裏にある思い《FC東京入りの真相》<Number Web> photograph by Takahito Ando

1年生の頃から中心選手として青森山田を牽引してきたMF松木玖生(3年)。来季からのFC東京加入内定を発表し、気持ち新たに選手権予選に臨む

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安藤隆人

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 10月17日、早くも冬の訪れを感じさせる青森の地で、1人の高校生が口にした言葉に驚かされた。

「僕には才能がないんです。だからこそ上を求めているんです」

 青森山田高3年MF松木玖生(まつき・くりゅう)。12日にJ1のFC東京への来季加入内定を発表するなど、今やユース年代のサッカー界において“顔”と言っても過言ではない存在だ。

 松木は青森山田中3年時に、ユース年代最高峰のリーグと言われる高円宮杯プレミアリーグに青森山田高のトップチームの一員として飛び級出場した。高1になると同校の伝統的な“ダブルエースナンバー”の1つである「7番」を託され、不動のレギュラーとして躍動。日本一を決めるプレミアリーグファイナルでは、名古屋グランパスU-18を相手に決勝弾を叩き込んでチームに2度目の栄冠をもたらし、同年度の選手権では4ゴールを挙げて準優勝の原動力となった。決して“名前先行”ではない、確固たる実力を全国大会の舞台で遺憾無く発揮した。

 彼が与えたインパクトはプレーだけではない。その強気な発言だ。

先輩にも叱咤、海外移籍を模索

「高校を卒業したら海外に行きたいと思っています」

「年齢は一切関係ありません。ダメだったらダメと言うのは当たり前だと思います」

 実際にピッチ上では先輩たちを叱咤するなど、1年生とは思えない立ち振る舞いも大きな話題となった。

 高2では「10番」を背負い、選手権で2年連続ファイナリストになった。最終学年となった今年はインターハイで全国制覇を達成。さらにドイツとフランスに渡って現地クラブの練習に参加し、以前から公言していた「高卒海外」への道を模索していた。

 こうした経緯が知られていたからこそ、急転直下の決断となったFC東京加入内定の発表は少なからず驚きを持って伝えられた。

 青森山田高校グラウンドで行われた高円宮杯プレミアリーグEAST第15節・流通経済大柏戦に4-0と快勝した後、松木は「正直、気は楽になりました」と安堵感を口にしながら語り始めた。

【次ページ】 海外で思い知らされた「現在地」

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