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“悩ましい”今年のドラフトでプロスカウトが挙げた《注目の17人》 「覚醒する気がする」隠れ有望株は岐阜にいる?
text by
間淳Jun Aida
photograph byYuki Suenaga
posted2021/10/09 17:02
スカウトが頭を悩ませているという2021ドラフト。クジでドラマは起きるのか(2018年撮影)
例年以上にスカウトの眼力が問われる今年のドラフト。「リスト上位は投手の比率が高い」、「4、5人くらいの投手がドラフト1位候補」と語るスカウトは、どの選手を評価しているのか。
逸材揃いの高校生投手の中で最も高い評価なのは……
口にした名前は高校生中心だった。
「高校生のドラフト候補には、球速が150キロを超える質の高い直球を投げる投手が多い。その中でも、現時点で総合力が高いのは市和歌山・小園健太。変化球や制球力に加えて投手としてのセンスを感じさせ、数年後には先発ローテーションに計算できる。
小園に続く存在なのが、明桜・風間球打と高知・森木大智。そこにチームの投手構成や地域性を考慮して、中京大中京・畔柳亨丞や天理・達孝太、北海・木村大成あたりが入ってくる。
高校生は右腕に好投手が多いが大学生、社会人では左腕に素材が揃っている。今シーズン、新人で楽天のローテーションに入った早川隆久ほどの完成度を求めるのは難しいものの、どの球団も即戦力左腕には魅力を感じている。
中でも西日本工大・隅田知一郎が頭ひとつ抜けており、筑波大・佐藤隼輔や新潟医療福祉大・桐敷拓馬はプロで活躍するイメージが沸く。JR東日本・山田龍聖はドラフト直前の活躍で評価は上がっているが、各球団の判断は分かれるだろう」
野手で「ドラ1」クラスの選手はいるのか
こうした好投手を支える存在であり、特殊なポジションでもある捕手や、内野手、外野手の名前は投手に比べると聞こえてこない。
昨年のドラフトでは、4球団が競合した末に阪神に入団した佐藤輝明の他にも、ソフトバンクが井上朋也、西武が渡部健人と、3人の野手がドラフト1位で指名された。今年は野手の競合や1位指名の可能性はあるのか。スカウトは、こう話す。