オリンピックPRESSBACK NUMBER
最注目学生ランナー“三浦龍司ってどんな人?”「オフはとことん休む派」「映画は洋画で字幕派」本人に聞いてみた
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byIchisei Hiramatsu
posted2021/10/09 11:04
日本の中長距離界の顔になった三浦龍司。その素顔はあまり知られていない。
「陸上は大好きです」19歳三浦龍司が目指す“恩返し”
素朴な素顔を見せてくれたオリンピアンだが、まだ19歳だ。順大を卒業してからも競技生活はつづく。「これから」を、どう自分の中で描いているのだろうか。
「大学を卒業したら実業団に行って、3000m障害で世界選手権やパリ五輪を目指します。ただ、実業団に入ると苦手な駅伝とも付き合っていかないといけないので、自分の目標を考えると駅伝とのかかわり方は変えていく必要があるかなと思っています。
プロはないですね(苦笑)。自分がイメージするプロ選手を聞かれると思い浮かぶのは大迫(傑)選手ですが、陸上だけするというのは今のところ僕は考えていないです」
「陸上だけすることは考えられない」と答える三浦だが、「陸上は大好きです」とハッキリと語る。将来はその恩を返すために、考えていることがある。
「陸上を始めたのは、地元の浜田JASという陸上クラブに入ったのがキッカケでした。そこが僕の原点で、陸上をすごく好きになれた場所なんです。まだ遠い話にはなると思うのですが、いずれそのクラブで恩師の手伝いをしながら、こどもたちに陸上を好きになってもらうキッカケ作りができればいいかなと考えています」
陸上を好きでいられることは恩師から与えられた大きなギフトだった。成長し、そのことを理解した三浦は今、自分の陸上を支えてくれた人のために走ろうとしている。
自分のためだけでなく誰かのために――その思いを背負って走る選手は、強い。
(【前回を読む】東京五輪の三浦龍司編へ)