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最注目学生ランナー“三浦龍司ってどんな人?”「オフはとことん休む派」「映画は洋画で字幕派」本人に聞いてみた
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byIchisei Hiramatsu
posted2021/10/09 11:04
日本の中長距離界の顔になった三浦龍司。その素顔はあまり知られていない。
洋画が好きなのは、迫力があるアクションシーンには三浦の好きものが凝縮されているからだ。例えば、『ワイルド・スピード』は、車が主役でもある。『トランスポーター』も派手なカーチェイスがウリで、車が欠かせない。
「車が好きなんです。特にアウディが好きですね。父がアウディに乗っていましたし、トランスポーターの中でジェイソン・ステイサムが運転していたのがアウディなんです。自分は早生まれだったので、高校卒業する時に免許を取れなかったんですが、いつか取れたらマットブラックのアウディに乗りたいですね(笑)」(三浦)
チームからの寄せ書きには「靴、忘れんなよ」
順大は寮生活だが、チームメイトとのエピソードを尋ねると、その仲の良さが伝わってくる。東京五輪では、日の丸に寄せ書きというサプライズもあったが、それはチームメイトの愛情を感じさせるものだった。
「色んなことを書いてもらったんですけど……。例えば、日本選手権での転倒を出してきて『もうコケるなよ』とか、織田記念で僕がスパイクを忘れちゃった話で『靴、忘れんなよ』とか(笑)。いい感じでみんな僕のことをイジってくれていましたね」(三浦)
東京五輪本番では、その2つとも起こらなかった。誰も予想できなかった素晴らしい結果を残して仲間や国民の度肝を抜き、その名と顔は全国区になった。目立つ存在になれば、ファンも増えるだろう。
長門監督は、苦笑してこう言う。
「一応、色々と気をつけろよという話をしています(笑)。でも、天狗になるようなタイプでもないですし、自分のペースを乱されるようなことはされたくないと思うので、今のところそれほど心配していません」
史上初の快挙で注目されても「なかなか実感が湧かないです」
五輪期間中、大学は夏休み、チームは合宿だった。SNSは、デジタルネイティブ世代だが「面倒くさい」と思っている。今は特に好きなタレントもいない。大学入学時から「スーパールーキー」として注目されてきて、今回、史上初の快挙を達成したが、変化を感じるような出来事は起きていない。
「うーん、全然感じないですね(笑)。応援してくださったり注目していただいてるとは思うのですが、なかなか実感が湧かないです。大学も今はコロナ禍の影響でオンライン授業がメインなので、学校の友人や他の部活の人とも会わないですからね。そういう意味ではもっと色んな人と交流したいなと思ったりして、学生生活も物足りない気もしますけど、これからも特に変わらないのかなと思います」(三浦)