プロのスカウト陣は高校生投手に身体的なスケールを求める傾向が強いが、そういう意味で注目度が高いと言えるのが、羽田慎之介（八王子）、黒田将矢（八戸工大一）の左右の大型投手2人だ。

　羽田は190cmの長身でサイド気味のスリークォーターから140キロ台後半のストレートを投げ込む。そのスタイルは、往年の名投手であるランディ・ジョンソン（マリナーズなど）を彷彿とさせるものがある。春は故障明けで2試合、2イニングのみの登板となり、夏には再び肘を痛めて登板なしのまま終わり、その真価はベールに包まれたままというのも逆に想像を掻き立てられる存在だ。

　ただ肘の故障というのも成長期に影響するもので深刻な内容ではなく、スケールの大きさは抜群だけに意外と高い順位で指名されることも十分に考えられるだろう。

大きなスケールを感じさせる羽田慎之介（八王子）　©︎PABB-lab.

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青森に12球団のスカウトが集結？

　一方の黒田も188cmの大型右腕で、春の青森県大会で149キロをマークしてドラフト戦線に一気に浮上してきた。まだまだ粗削りで細かいコントロールなどは課題が残るが、これだけの長身でありながらフォームに躍動感があり、真上から腕を振れるというのは大きな魅力である。

　夏の青森大会準々決勝の八戸西戦では12球団のスカウトが集結し、幹部クラスも顔を見せていたことからもその注目度の高さがうかがえる。小園、風間、森木を逃した場合はその代わりとして確保したいと考えている球団も多いはずだ。

多くのスカウトが視察に訪れているという黒田将矢（八戸工大一）©︎PABB-lab.

　スケールの大きさでは羽田、黒田には及ばないものの田中楓基（旭川実）、竹山日向（享栄）、山本大揮（九州国際大付）の本格派右腕3人もフォームに悪い癖がなく、ストレート、変化球ともに高レベルなだけに比較的早く名前を呼ばれる可能性は高そうだ。

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