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【スプリンターズS】“完成された”ダノンスマッシュに勝てるとしたら…? レシステンシアを“つかみ切った”ルメールは3連覇を狙う
posted2021/10/02 06:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Photostud
「短距離界の絶対王者」の息子が、史上6頭目の同一年春秋スプリントGI制覇をなし遂げるのか。それとも、無敗で2歳女王となった女傑が、マイルとの「2階級制覇」を果たすのか。
秋のGIシリーズの開幕を告げる第55回スプリンターズステークス(10月3日、中山芝1200m、3歳以上GI)が近づいてきた。
ダノンスマッシュは「父(ロードカナロア)に似てきた」
スピード自慢の好メンバーが揃ったなか、1番人気に支持されるのはダノンスマッシュ(牡6歳、父ロードカナロア、栗東・安田隆行厩舎)だと思われる。
昨年12月の香港スプリントでGI初制覇を果たし、今年の高松宮記念も優勝。つづく香港のチェアマンズスプリントプライズこそ6着に敗れたが、GIを勝ち切れなかったかつての姿が嘘のような充実ぶりを見せている。
2012年と13年に香港スプリントを連覇するなど短距離界に君臨した父ロードカナロアを管理したのも安田調教師だった。「短距離王国」と言われた安田厩舎のエースに、安田師の愛弟子である川田将雅が騎乗し、同一年春秋スプリントGIの父仔制覇(カナロアは13年に達成)を狙う。
4月のチェアマンズスプリントプライズ以来の実戦となるが、9月23日に坂路で行われた1週前追い切りで、その日の一番時計の50秒フラットを叩き出すなど、態勢は整っている。
「6歳の秋になって完成されたと感じています。素振りも父に似てきました」
そう話す安田師によると、この馬は使い込むとダメなタイプで、フレッシュなほうが走るのだという。
前走から中4週で臨んだ一昨年のこのレースでは、1番人気に支持されるも、3着。中2週だった昨年は、女王グランアレグリアの2着。5カ月以上の間隔を取った「3度目の正直」の今回は、当然期待が高まる。