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【スプリンターズS】“完成された”ダノンスマッシュに勝てるとしたら…? レシステンシアを“つかみ切った”ルメールは3連覇を狙う
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPhotostud
posted2021/10/02 06:00
今年の高松宮記念(GI)を制したダノンスマッシュ(右)と2着のレシステンシア。今週末のスプリンターズSにて再び激突する
ルメールが特徴を掴み切っているレシステンシア
ダノンスマッシュと人気を分け合う形になりそうなのが、圧倒的なスピードで一昨年の2歳女王となったレシステンシア(牝4歳、父ダイワメジャー、栗東・松下武士厩舎)だ。
3歳だった昨年は、チューリップ賞3着、桜花賞2着、NHKマイルカップ2着と、惜しいレースがつづいた。NHKマイルカップのあと骨折が判明し、マイルチャンピオンシップで復帰して8着。昨年走った4戦は、すべてマイル戦だった。
今年は、始動戦となった阪神芝1400mの阪急杯を快勝すると、初のスプリント戦となった高松宮記念で、ダノンスマッシュから首差の2着。ヴィクトリアマイル6着を経て、秋初戦の前走、中京芝1200mのセントウルステークスを制し、スプリント適性の高さを見せつけている。
「体もスプリンター寄りになってきました」と松下調教師。
NHKマイルカップがテン乗りだったクリストフ・ルメールは、セントウルステークスで完全にこの馬をつかみ切った。ここを勝てば、一昨年のタワーオブロンドン、昨年のグランアレグリアにつづく3連覇となる。
中山は初めてになるが、パワフルな走法から坂も問題にしないだろう。
台風の影響で金曜日は大雨となり、土曜日にほかのレースで使われる中山芝コースは、かなり力のいる状態になると思われる。
楽に先行し、後ろがついてくることができないほどの高速スパートで勝負を決めるこの馬にとって、おあつらえ向きの舞台になるかもしれない。
さらに、充実著しいピクシーナイト、復調気配にあるモズスーパーフレア、昨年の高松宮記念1位入線降着の悔しさを晴らしたいクリノガウディー、折り合ったらとてつもない爆発力を発揮しそうなメイケイエールなどが一発を狙う。