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『マキバオー』の漫画家つの丸が明かした連載秘話「ディープとハルウララを見て…」話題を呼んだ『ウマ娘』コラボのきっかけは?
posted2022/06/26 11:01
text by
屋城敦Atsushi Yashiro
photograph by
Shiro Miyake
日本で初めて“アニメ化”された競馬マンガだった
競馬マンガでは初となるテレビアニメ化のオファーが来たのは、朝日杯のエピソードを描いているころだったという。記憶があやふやなのは、連載があまりにも忙しくて外界の時間の流れにすっかり疎くなってしまっていたからなのだとか。
「すごくうれしかったはずなんですが、ほとんど覚えてないんですよね(笑)」
アニメ化については、基本的には編集部にやり取りを任せていた。あくまでマンガとは別物であり、物語の流れや設定など、つの丸が口出しすることは1点を除いてなかった。
「できたら犬山犬子(現・犬山イヌコ)さんを使ってほしいとだけ伝えて、あとは何も言っていません」
放送は1996年3月に始まった。「放送は毎週楽しみに観ていましたよ。特に最初の1回はよく覚えています。『これから30分、俺の作品の番組だ!』と感動した記憶があります」
アニメでは、ダービーで命を落とすはずだったチュウ兵衛がその後も生き続けたり、多数のオリジナルキャラクターが登場するなど、独自の展開が行われていたが、つの丸は「別の作品だから」ということで割り切っていて、特に気にすることはなかったそうだ。
それから25年、ファン待望のBlu-ray BOX化が実現する。「ずっと観られない状況が続いていたようなんですよね。ファンからも『観たい』という声が上がっていたみたいなので、今回25周年でBlu-ray BOXが発売されて良かったなと思いました」と笑顔を見せた。
『ウマ娘』とのコラボを引き受けた理由は?
競馬を題材としたアニメは『みどりのマキバオー』以降長らく出てこなかったが、ついに2018年『ウマ娘 プリティーダービー』が放送開始される。以来、空前のヒットを続けている同プロジェクトの中のマンガ作品『ウマ娘 シンデレラグレイ』と『みどりのマキバオー』のコラボも実現している(※『週刊ヤングジャンプ 2021年39号』にてコラボイラストを寄稿)。
「僕はふだんゲームもやらないし、アニメも観ないので『ウマ娘』のことは正直よく知らないのですが、『みどりのマキバオー』が好きで事あるごとに応援もしてくれていた久住太陽先生からラブコールを受けて、その熱意に応えたという感じです。
僕も若いころ、原哲夫先生だとか宮下あきら先生の“男臭い”マンガに憧れてこの道に進んだというのもありましたから。
『ウマ娘』がきっかけで競馬にハマって、それが縁で『マキバオー』を読んで好きになってくれている方もいるみたいなので、そういうところはありがたいですね」