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【Bリーグ開幕】“東高西低”の勢力図が変わる!? 金丸晃輔&安藤誓哉の大型補強で島根にかかる大躍進の期待
text by
吉川哲彦Akihiko Yoshikawa
photograph bySHIMANE SUSANOO MAGIC
posted2021/10/01 17:00
9月22日に行われた島根の新体制記者会見でコメントする金丸晃輔。今夏の東京五輪でも日本代表としてプレーした
そして、昨シーズンまでB2香川ファイブアローズを率いたポール・ヘナレが新ヘッドコーチに就任。かつてニュージーランドNBLで最優秀コーチを3度受賞し、同国代表の指揮官も務めたヘナレHCは、香川でも開幕してから合流した2019-20シーズンに、前シーズンの西地区最下位から同2位まで引き上げた実績がある。シーズンが途中で打ち切りになっていなければ、香川は昨シーズンをB1で過ごしていた可能性もあった。
メインとなる戦術はトランジションオフェンスだが、安藤が在籍していたA東京はピック&ロール主体のハーフコートオフェンスが特徴で、金丸のいた三河に至ってはリーグ最少と言っていいほど速攻を出さないチーム。オフェンスをコントロールする立場の安藤と重要なフィニッシャーである金丸が、ヘナレHCの戦術にどこまでフィットするか。そこが、今シーズンの島根の行方を大きく左右するポイントになるだろう。当然ながらヘナレHCも金丸の類稀なシュート力を生かした戦術を織り込んでくるはずであり、トランジションとハーフコートのバランスも重要なカギとなってくる。
昨季王者と対戦の開幕戦に注目
ただ、これだけビッグネームが集ったとあって、クラブ全体が非常にポジティブなムードに包まれていることは明らかだ。「今シーズンは自分のキャリアの中でも特に楽しみなシーズン」と言う山下は、「ヘナレHCのバスケットがシンプルかつアグレッシブで楽しいし、素晴らしい選手も揃って、とても良い空気でレベルの高い練習ができている」とかなりの手応えを感じている様子。昨シーズンはB1でのクラブ史上最多となる28勝を挙げ、特に最後の10試合は8連勝を含む9勝1敗と最高の形で締めくくっただけに、否が応でも今シーズンへの期待はふくらむ。
島根は開幕節でいきなり昨シーズンの王者、千葉と対峙する。会場はホームの松江市総合体育館。「オフェンスもディフェンスもエナジーを出して、ファンの皆さんと一緒に戦うスタイルでいきたい」という安藤の言葉通り、ホームの力も借りて千葉から1つでも白星を奪うことができれば、今シーズンの島根は一気にCS戦線に名乗りを上げてくるに違いない。