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【Bリーグ開幕】“東高西低”の勢力図が変わる!? 金丸晃輔&安藤誓哉の大型補強で島根にかかる大躍進の期待
posted2021/10/01 17:00
text by
吉川哲彦Akihiko Yoshikawa
photograph by
SHIMANE SUSANOO MAGIC
移籍市場が活発化の一途をたどるBリーグは、このオフもファンを驚かせるサプライズ移籍が例年以上に続出した。
自身も「ここでキャリアを終えると思っていた」という故郷のクラブ、新潟アルビレックスBBを離れた五十嵐圭は、B2から昇格したばかりの群馬クレインサンダーズに加入。同様に多嶋朝飛も地元のレバンガ北海道から、やはり昇格組の茨城ロボッツに新天地を求めた。
宇都宮ブレックスからはライアン・ロシターとジェフ・ギブスというインサイドの二枚看板が去り、中でもロシターはBリーグで過去2度の優勝を誇るアルバルク東京に移籍。A東京は昨シーズン王者の千葉ジェッツからもセバスチャン・サイズを獲得するなど、優勝どころかチャンピオンシップ進出も逃して迎えたこのオフに目の色を変えて補強に動いた。
例年はビッグネームが東地区の強豪クラブに移籍するケースが目を引いたが、今シーズンは西地区のクラブも意欲的な補強を見せた。昇格1シーズン目は最下位に沈んだ広島ドラゴンフライズが辻直人(前・川崎ブレイブサンダース)や昨シーズン得点王のニック・メイヨ(前・レバンガ北海道)らを獲得すれば、初めてCSに進出した大阪エヴェッサも長く日本代表を支えた竹内譲次(前・A東京)の獲得に成功している。
今オフ最大のインパクト
その中でも特にリーグ全体を揺るがす大型補強を断行したのが島根スサノオマジックだ。これまでの島根はジョシュ・スコット(現・宇都宮ブレックス)を筆頭に外国籍選手のリクルートではスマッシュヒットを飛ばしてきたが、日本人選手に関しては大きなインパクトのある補強は少なかった。それがこのオフは一転、日本代表クラスを一度に2人もロスターに加えてみせたのだ。
安藤誓哉はBリーグ初年度を秋田ノーザンハピネッツで過ごした後、その潜在能力を見込まれてA東京に移籍。当初は期限付移籍だったが、加入1シーズン目に正司令塔の座に定着してチームの優勝に貢献すると、翌2018-19シーズンは完全移籍して連覇の立役者となった。連覇を果たした直後の2019年夏には日本代表の一員としてFIBAワールドカップにも出場。今夏の東京オリンピックは最終メンバーから外れたとはいえ、29歳という年齢を考えれば今後再び日本代表でプレーする可能性は大いにあり、島根にとってはこれまでにない実績の持ち主であることも間違いない。